ひろゆきさんの人気が高まっています。ひろゆきさんは、匿名掲示板2ちゃんねる(現在は5ちゃんねる)の創始者で、彼の映像については収益の一部を分配する条件で誰でも無料で使用することができます。つまり、彼の映像はフリー素材として使用することができるのです。この結果、ひろゆきさんの切り抜き動画は、YouTubeで28日間で2億4951万回再生される状態になり、若者たちの間で、ひろゆきさんの人気が高まっているそうです。(3月23日のご本人のツイートより)今回は「フリー素材化」の成功と、彼が創設した「2ちゃんねる」のすごさについて分析したいと思います。

「フリー素材化」、つまり無料で提供することで成功しているコンテンツは複数あります。YouTubeも、無料で誰でも視聴することができるから動画のプラットフォームとして覇権をとりました。これが会員制や有料であったら、ここまで普及しなかったはずです。2ちゃんねるも無料であり、誰でも見ることができる掲示板です。こちらも無料だから市民権を得たプラットフォームです。

「無料」は、非常に強い集客力を持っているのです。プラットフォームだけでなく、コンテンツでも同じです。「いらすとや」のイラストは全て無料で使用することができるため、街中やWebページで広く普及しています。「くまモン」の商標利用は基本的に無料です。「ブラックジャックによろしく」という漫画は、無料で全巻読むことができる上に、二次創作も自由のフリー素材化した漫画です。また、二次創作を基本的に許可している作品としては、東方Projectが有名です。無料化やフリー素材化したプラットフォームやコンテンツはどうなったかといえば、YouTubeは世界で20億人以上が利用するプラットフォームとなり、2ちゃんねるは日本最大級の匿名掲示板です。

 フリー素材化したひろゆきさんは冒頭で述べたように、切り抜き動画が人気となり、再生回数は日本で最も再生された動画の3倍以上の数字をとっています。くまモンの2020年の商品売り上げは1698億円で、9年連続で過去最高を更新しています。東方Project関連の動画は昔からYouTubeで人気であり、正確には測れませんが再生回数や動画数に関してはひろゆきさんの切り抜き動画よりも多いと思います。

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