竹原さんは、3人の子の父親でもあります。これから父親になる人へのアドバイスを聞きました。

「食べる、寝る、休む、リフレッシュする時間を、夫婦で捻出することが大切です。仕事の時間を削れれば最もいいのですが、それが無理なら、やらなくても生きていけるような家事時間を削ること。例えば、掃除の回数を減らす、乾いた洗濯物は積んでおくなど、畳んで収納することに時間をかけない。ただし、野菜の重ね煮でつくり置きするなど、食事はしっかりとりましょう」

 逆に、やめたほうがいいのが、家事・育児のタスク化だといいます。
 
「家事・育児の分担表をつくり、夫婦で負担に偏りがないようにする方法が、最近よく紹介されています。しかし、このようなタスクの見える化は、家事・育児には適さないと思います。タスクは、やって当たり前、やらなかったら非難の対象になります。それより、気づいたほうがおこなって、ありがとうと感謝される。それで、次もまたやろうという気持ちになるという仕組みにしておかないと、家庭がギスギスしてきます」

 生活のこまごまとした事柄に関わってこなかった男性には、その「気づく」が苦手な人もいます。

子育てを機に父親も生活のスキルを身につけて、夫婦で一緒に大変な時期を乗り越えてほしい。生まれる前に、家事の知恵や時短テクニック、寝かしつけのコツなど、情報を仕入れるといいですね」(竹原さん)

取材協力/国立成育医療研究センター研究所政策科学研究部部長 竹原健二

(文/山本七枝子)