プロ野球のオープン戦が21日に終了した。各球団が陣容を整えつつある中、戦力不足を露呈したのはオープン戦で単独最下位のヤクルトだ。中でも先発投手陣のこま不足は深刻で、セ・リーグでダントツ最下位に終わった昨季に続く「低空飛行」が早くも懸念されている。

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「開幕投手に指名された小川(泰弘)、スアレスに続く先発投手の陣容を、3月中旬になっても固められなかった。他球団の多くがローテーションの5番手、6番手争いの見極めに入っている時期にです。ここまで先発陣が手薄なのは12球団でヤクルトくらいで、高津(臣吾)監督も頭が痛いと思う」

 こう指摘するのは、セ・リーグ球団の元スコアラーだ。

 昨季、首位巨人に25ゲーム差と、ぶっちぎりでセ・リーグ最下位に終わったヤクルト。中でも投手力の弱さは顕著で、チーム防御率4.61、総失点589はいずれも12球団ワーストだった。ちなみにセ・リーグ5位の広島を見ると、チーム防御率4.06、総失点529と、5位チームとも大きな差があることが分かる。

 中でも先発投手陣の整備は急務で、オフには前ソフトバンクでNPB通算43勝の実績を持つ右腕のバンデンハーク。巨人からは、過去に2度、先発で2桁勝利を挙げた左腕の田口麗斗を獲得した。

 その田口は20日のオープン戦で好投し開幕ローテ入りが濃厚となったが、バンデンハークは新型コロナウイルスの影響で、来日の時期はいまだ決まっていない。

 ベテランの石川雅規は調整が遅れ、オープン戦2試合で16失点、防御率は30点台と散々の内容。ドラフト1位の木澤尚文(慶大)、2位の山野太一(東北福祉大)も即戦力と期待されたほどの目立った成績は残せなかった。

「それでも結局、石川をローテ候補に入れざるを得ず、昨季わずか3勝の高梨(裕稔)、2勝の原(樹理)も有力な候補というありさまです」(全国紙スポーツ担当記者)

 高津監督は21日、開幕第3戦の先発に高卒2年目の奥川恭伸を大抜擢した。だが、前出の元スコアラーは厳しい見方を示す。

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奥川は「5回まで持ってくれ」が本音か