「詳しいことはあれですけど。ある程度、答えは出たんじゃないですか。あとはピッチャーが投げられるか投げられないかですね。身体も大きいし、スイングも大きいし、速い。神宮でフォロー(の風)が吹いたら投手も気になりますね。開幕してからどうやって抑えていくかが一番」(ヤクルト・高津臣吾監督)

 3月16日、ヤクルトバッテリーは内角高め真っ直ぐを右翼席上段に運ばれた。しかしその他の打席では、変化球と高めの直球で三振を2つ奪っている。試合後の高津監督は「収穫あり」と攻略に自信のコメントを残した。

 高津監督は現役時代、当時巨人のルーキーだった松井秀喜との初対戦で完璧な本塁打を打たれた。しかし、この打席は打撃傾向を知るために、打たれるのを覚悟で全球直球での勝負となった。今回もあえて「打たせた」と考えられるだけに、佐藤へのコメントは不気味さも感じさせる。

「もちろん、早く壁にぶつかってくれれば良いとか、俺も言ってきたし、今でもそう思ってるんだけど、でもそういうものを跳ねのけてというか、ここまでやっていることは本当に想像を超えている」(矢野監督)

 矢野監督の言う通り、力がなければ記録は作れない。目に見える壁にぶつかっていないだけに、不安は感じる。しかしここまでは期待に十分応えてくれているのは確かだ。

「優勝、そして4番打者が日本人選手ならば言うことなし。それこそが真の猛虎復活に繋がる。相当な盛り上がりになることも間違いない。大山は197試合で4番に座っている。佐藤と大山にかかる期待は大きい。2人の活躍がコロナ禍で暗い日本を救う、と言うのは言い過ぎではない」(阪神担当記者)

 阪神のOBには、岡田彰布、藤本勝巳、遠井吾郎、掛布雅之、田淵幸一、藤村冨美男ら偉大なバッターがいる。佐藤には大先輩を追い抜くような大打者に育って欲しい。

 壁などぶつからず、一直線に進めればそれに越したことはない。これだけ期待を抱かせ、楽しみな新人選手も久しくいなかった。“ミスター・タイガース”として、打ち続けるのを誰もが望んでいる。阪神ファン以外も注目する選手だ。