レッドブルのマックス・フェルスタッペン(写真/gettyimages)
レッドブルのマックス・フェルスタッペン(写真/gettyimages)

 3月26日に開幕するF1世界選手権の2021年シーズン。3月14日から3日間の日程で行われたプレシーズンテストでは、日本勢が大活躍した。

 まず、今年がF1ラストシーズンとなるホンダは、テスト初日にレッドブルのマックス・フェルスタッペンが1分28秒960のトップタイムをマークし、幸先の良いスタートを切った。

 2日目にステアリングを握ったセルジオ・ペレスはロングランを中心にしたプログラムを行ったため、ベストタイムでは8番手に終わったが、テスト2日目にして早くもレースシミュレーション(バーレーンGPの決勝レースを想定して57周をピットストップを行いながら実践走行すること)を遂行したことは、レッドブル・ホンダが速さだけでなく、マシンの信頼性も高く、開幕に向けて順調であることを改めて感じさせた。

 最終日も、ホンダはテストを席巻した。午前中に担当したペレスがトップタイムをマークすると、午後にペレスからステアリングを譲り受けたフェルスタッペンが、そのトップタイムを更新。3日間のテストのうち2日でトップに立って、テストを締めくくった。

 7年目にして、初のタイトル獲得を狙うフェルスタッペンは「シンでとてもバランスが取れていて、運転が予測可能な素晴らしい感覚だった」と新車RB16Bに手応えを感じていた。

 また、昨年までレーシングポイント(今年からアストンマーティンに改名)に在籍し、メルセデス製のパワーユニット(PU)を走らせ、今年からレッドブル・ホンダに移籍してきたペレスと初めてテストを行ったホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは、「昨年まで異なるチームの車体やPUに乗っていたので、そことの差を色々と話を聞きながらやっていました。すぐに対応できるところとできないところがありますが、我々にとっては色々と勉強となることで、いいところはそれを実現できるようにやっていきたい」と語ったうえで、「経験豊富なドライバーなので、じっくり乗ってから落ち着いてフィードバックしてくれる。我々にとっても力強い新たな戦力として一緒に戦えることをうれしく思っています」と付け加えた。

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謎に包まれたメルセデスの走り