子どもたちは、精神疾患の知識がなければ症状を感じてもそれが精神疾患によるものかもしれないとは思わないでしょう、教師も子どもの不安や悩み、心の病気になかなか気づけないというのが現実です。さらに保護者は気づけないこともあるでしょうし、病気だと認めたくない思いもある。学校にも相談しにくい状況で、結果として病気が見逃されてしまうことも少なくないでしょう。

 精神疾患が学習指導要領に盛り込まれたことで、子どもの理解はもちろんのこと、指導する側の教師の理解も併せて進むのではないかと思います。

 また、学習指導要領の柱の一つに「社会に開かれた教育課程」というキーワードがあります。 教育課程自体は学校のカリキュラムですが、学校で学習していることを積極的に発信し社会との連携及び協働によりその実現を図っていきましょうと。心の健康や精神疾患に関する内容も健康教育の中で取り上げられていくんだということをその背景も含めて保護者や地域に発信することによって、理解も深まってくるのではないかと期待しています。

(文・谷わこ)