「ニュースをみた時、子どもたちの卒業なのだから、祝ってあげればいいのにな、と思いました。被災地に気を使って子どもたちのお祝いを控えてしまうのは、私としても本意ではありません」

 さらに佐々木さんは、「ここだけが被災地じゃない。本の地震があった4月16日も同じ」と続ける。

「3月11日は震災固有の特別な日ではなくて、それぞれに誕生日やイベント、お祝い事がある。被災地は被災地の3月11日を迎えればいいし、それぞれの3月11日を、それぞれの色で迎えてもらいたい」

 過剰な自粛は、被災者の人たちも望んではいないはずだ。(取材・文=AERAdot.編集部・飯塚大和、國府田英之)

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國府田英之

國府田英之

1976年生まれ。全国紙の記者を経て2010年からフリーランスに。週刊誌記者やポータルサイトのニュースデスクなどを転々とする。家族の介護で離職し、しばらく無職で過ごしたのち20年秋からAERAdot.記者に。テーマは「社会」。どんなできごとも社会です。

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