成田凌(C)朝日新聞社
成田凌(C)朝日新聞社

 実力者がひしめく20代の役者陣において菅田将暉が頭ひとつ飛び抜けて活躍しているイメージだが、彼を追随する存在として成田凌(27)がいる。もともとは美容師を志し専門学校に通っていたが、10代後半にファッション誌「メンズノンノ」のモデルオーディションに合格。芸能界への足掛かりをつかむと、瞬く間にその演技力が高く評価され、現在はNHK連続テレビ小説「おちょやん」でヒロイン・千代(杉咲花)の夫役を演じている。

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 国民的ドラマにもメインの役柄で出演し、順調に売れっ子俳優の階段を駆け上がる成田凌。そんな彼の魅力を女性週刊誌の芸能担当記者はこう語る。

「デビュー当時から彼の演技力は高く評価されていました。小さな脇役でも全力で演じ、存在感を際立たせるのが非常にうまい。美容師志望だったこともあり、自分の見せ方や、役の見せ方がとてもよくわかっている。清潔感があるのもいいですね。なので、暑苦しい芝居ではなく、静かで的確な芝居と佇まいが彼の最大の魅力。『天性のものを感じる』と評価する制作陣も多いと聞きます。『おちょやん』でヒロインの相手役を務め、さらなる評価を得ましたが、今後はよりメジャーな存在になるのは確実。菅田将暉さんほどの派手さは今のところないのですが、ここからどうブレイクしてメジャー俳優になっていくのか。いま、最大の注目株だと言えるでしょう」

 2019年には周防正行監督作の「カツベン!」で映画初主演。第74回毎日映画コンクールで男優主演賞を受賞した。映画ライターはこう言う。

「活動弁士を描いた本作は地味な作品だったこともあり、興行収入という面では成功を収めることはできませんでしたが、成田さんの演技はここでも高く評価され、これ以降、主演作も増え続けています。ただ、彼のお芝居は中性的な役柄こそ光るのかもしれません。『逃げるは恥だが役に立つ』も同性愛者の部下役を好演しましたし、映画『窮鼠はチーズの夢を見る』では関ジャニ∞の大倉くんに思いを寄せる恋人役を熱演しました。こうした役柄は、やりすぎてしまう役者さんが多いのですが、彼は絶妙な間合いで役を際立たせていました。さわやかな好青年でも中性的な陰のある青年でも見事に演じ分けられるのか本当に凄いと思いますね。また、声優としても評価が高い。『ONE PIECE FILM GOLD』や『君の名は。』でも声優として脇を固めていますが、声の芝居も的確なので抜群の存在感を出しています。“カメレオン俳優”という言葉が昔からありますけど、彼こそこの肩書を名乗るにふさわしい俳優さんだと思いますね」

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藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

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