そもそも美形で、お芝居もうまい。足りないのは、代表作のみ。今回の主演ドラマが当たって代表作になれば、真の意味での売れっ子女優になれるということか。

■Youtubeチャンネルですっぴん公開

 一方、川口は女優としては珍しくYouTubeにも果敢に取り組んでいる。彼女のチャンネル「川口春奈オフィシャル はーちゃんねる」は登録者数125万人と、女優のなかでもトップランクに位置する人気チャンネルだ。スポーツ誌の芸能担当記者はこう語る。

「イメージが重要のためオフの姿をあまり見せないという女優業において、週イチペースで等身大の自分を着飾ることなく発信しているのが凄い。独り酒、すっぴん公開、モーニングルーティン、実家帰省など、川口さんの人となりが存分に味わえる超優良チャンネルです。実際、ちょっとしたトークやリアクションも面白いですし、HIKAKINさんや同郷の仲里依紗さんとのコラボ動画は物凄い再生回数を叩き出しています。チャンネル自体はまだ1年ぐらいなのですが、彼女が出演していた大河ドラマの裏でこんな等身大の動画を流していいのかと心配になるほど、とてもナチュラルな川口さんが話題になり、好感度も爆上がりでした。これで彼女の役の幅も広がったと思いますね」

 所属事務所としてもはベールに包みたいであろう“女優の私生活”を、ある程度の演出を交えながらも赤裸々に見せるというスタイルは確かに斬新だ。TVウオッチャーの中村裕一氏は、川口春奈の魅力を次のように分析する。

「『夫のカノジョ』は、今クールのヒットドラマ『天国と地獄』と同じ“入れ替わり”がテーマでした。残念ながら低視聴率に終わりましたが、その3年後の2016年に新海誠監督の映画『君の名は。』が公開され大ヒットしています。入れ替わりという題材としてはちょっとタイミングが早かったということと、裏が当時絶好調だった米倉涼子の『ドクターX』だったという不運が重なっただけで、当時18歳だった彼女に責任はほとんどありません。しかし、今回の『着飾る恋~』は、大河ドラマの後の主演作ということで、注目度は非常に高い。つまり、この作品で女優としての真価が問われると言っても過言ではないでしょう。なんといっても彼女の持ち味は、見ているだけで自然と周りを明るい気持ちにさせる、つぶらな瞳と微笑み。重圧を軽々とはねのけて、YouTubeチャンネルで見せてくれるような伸び伸びとした演技と表情に期待したいですね」

 女優デビューして12年、26歳になった川口春奈の機は熟した。あとは彼女の代表作を待つだけだ。(藤原三星)

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藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

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