高校卒ながらそろそろ後がない立場になっているのが平沢大河(ロッテ)だ。3年目の2018年には外野に回り62安打、5本塁打をマークしたが、ショートに戻った翌年は大きく成績が低下。昨年は右肘の故障もあってプロ入り初の一軍出場なしでシーズンを終えている。しかし今年のキャンプは右肘の手術を受けたこともあって二軍スタートとなったものの、順調な回復を見せて3月からは一軍に合流。7日の西武戦で途中出場から2点タイムリーツーベースを放つと、続く9日の楽天戦でも途中出場してホームランを放つなど強烈なアピールを見せている。

 ショートのレギュラーとして期待される新外国人のエチェバリアの来日が遅れており、サードのレアードも腰の手術明けで慎重な調整が続いている。当面は昨年4番を任された安田尚憲、実績のある藤岡裕大、ルーキーの小川龍成らと三遊間のポジションを争うことになりそうだが、持ち味であるパンチ力をアピールできれば開幕スタメンも見えてくるだろう。

 最後にやはり忘れてはならないのがプロ入り4年目を迎える清宮幸太郎(日本ハム)だ。4打数ノーヒットに終わった2月25日の紅白戦後には、栗山英樹監督から「20は文句を言いたい」と苦言を呈されており、まだまだ首脳陣の信頼を得るまでには至っていないものの、昨年までと比べてもスイングのキレがアップし、芯でとらえる打球は確実に増えている。

 3月13日までにスタメンで出場したオープン戦4試合ではいずれも四球を選んでおり、打席の中で余裕が感じられるようになったのも大きなプラス要因だ。一学年後輩の野村佑希がホームランを量産していることも刺激となっていることだろう。巨人の4番に定着した岡本和真がレギュラーに定着したのもプロ入り4年目だっただけに、清宮も4年目の大ブレークに期待したい。(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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