秋篠宮殿下の『結婚は認める』という部分だけが世間でクローズアップされてしまった感じがありますが、ご発言の全体を理解すればもっと深い意味がわかると思います」

 憲法24条では、「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し」と定められている。簡単に言うと、二人の合意さえあればいつでも籍を入れるという形の結婚はできるということ。一方、女性皇族が結婚する場合、一般の結納にあたる「納采の儀」を経て、「告期の儀」、「賢所皇霊殿神殿に謁するの儀」、「朝見の儀」などの一連の儀式を順番どおりに行った後に、結婚式、披露宴を催し皇室を離脱するという流れになる。

「秋篠宮殿下のお気持ちは、父親としては2人の気持ちを尊重したいということ。そして憲法で定められた結婚は認めるということです。しかし、秋篠宮殿下が宮家として婚約をお認めにならない限り、納采の儀をはじめその後に続く一連の儀式は行えません。つまり、皇室としての結婚は、今のままでは難しいということなのです」

 今回、陛下は「ご両親とよく話し合い、秋篠宮が言ったとおり……」とご発言。秋篠宮さまと同じ思いがあるとおっしゃったともいえるのだ。

「今回の陛下のお言葉については、上皇陛下と美智子さまにもお伝えしていると思います。上皇陛下が裁可されたのだから、反対されるのは難しいという意見もありましたが、小室さんの母親の金銭問題、小室さんのアメリカ留学などは裁可の後のことなのです。一連の儀式が延期となって以降、3年間に及ぶ国民の不信感を考えれば、上皇陛下も美智子さまも心配されているはずです」

 近重さんによると、御代が平成から令和に変わったことも大きいという。

天皇陛下はご自身の御代に、国民の信頼を損なうような結婚は天皇としては望んでおられないと思います。今回、陛下が言及されたということは、皇室が一つになってのお言葉だということも意味します。これまでは、眞子さまにはご両親との関係で考える問題だったかもしれませんが、天皇陛下のお言葉があった以上、これまでのようにそのまま放っておくことはできません」

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秋篠宮殿下も眞子さまと向き合う必要性