鈴木は早川、伊藤と同様に3月7日に先発でオープン戦デビューを果たし、負け投手となったものの4回を投げて2失点とまずまずの内容だった。そしてドラフト1位の3人以上にここまでで目立つ存在となっているのが河村だ。一軍抜擢となったキャンプを問題なく完走すると、練習試合から3月7日のオープン戦まで6試合連続無失点と快投を続けている。

 192cmの長身で、更に真上から腕を振り下ろすフォームのため、打者が感じる角度は相当なものである。ストレートは今のところ140キロ台中盤が多いが、大学時代は150キロもマークしており、まだまだ余力が感じられる。落差の大きいフォークも空振りを奪えるボールだ。そして何よりもマウンド上での落ち着きが新人離れしているというのが大きな魅力である。沢村拓一の抜けた後のセットアッパーとして定着することも十分に考えられるだろう。

 河村と同様にリリーフの一角として一軍に食い込んでくることが期待されるのがオリックスの中川颯(4位・立教大)と阿部翔太(6位・日本生命)の2人だ。中川はテイクバックで右手を高く上げる独特のフォームのアンダースローで、浮き上がるような球筋が持ち味。東京六大学では1年生の時に抑えとしてフル回転した経験も持つ。左打者相手には課題が残るものの、なかなかいないタイプだけにブルペンにいると重宝されそうだ。阿部は今年で29歳となるオールドルーキー。驚くようなスピードや凄い変化球があるわけではないが、制球力も高く安定感がある。長いイニングを投げることもできるため、こちらも使い勝手の良い投手としてありがたい存在となりそうだ。

 野手は投手と比べると目立つ選手が少ないが、西武の若林楽人(4位・駒沢大)とブランドン(6位・東農大北海道オホーツク)の2人が一軍でアピールを続けている。若林は運動能力の高さが魅力の外野手で、守備に関しては既に一軍でも上位の力があるように見える。打撃の確実性は課題だが、スタンドまで運ぶ力があるだけに外野のバックアップ要員として貴重な存在となりそうだ。

次のページ
ブランドンは開幕から抜擢も?