楽天のドラフト1位ルーキー ・早川隆久(c)朝日新聞社
楽天のドラフト1位ルーキー ・早川隆久(c)朝日新聞社

 3月に入りオープン戦も本格化してきたプロ野球。開幕まであと約2週間となったが、新型コロナウイルスの影響で来日の目途が立たない外国人選手も多く、戦力が揃うのは開幕後というチームも少なくない。そうなると例年以上に期待がかかるのが新人選手だ。そこでここまでのキャンプ、オープン戦で存在感を示し、早くから一軍戦力となる可能性のあるルーキーをピックアップしてみたいと思う。今回はパ・リーグの6球団だ。

【写真】「平成で最もカッコいいバッティングフォーム」はこの選手!

 まずチームからの期待が大きく、注目度も高いのが早川隆久(楽天1位・早稲田大)と伊藤大海(日本ハム1位・苫小牧駒沢大)の大学卒投手の2人だ。キャンプではともに順調な調整を続けてきたが、オープン戦の初登板はいずれも課題が残る内容となったのは少し気がかりだ。早川は中日を相手に4回を投げて被安打8、3失点という内容。スライダー、チェンジアップがいずれも低めに決まりながらも、とらえられるケースが目立った。練習試合でもボール球になる変化球はしっかり見極められており、大学時代のように空振りをとれていないのが現状だ。ストレートは今のところ十分通用しているだけに、開幕までに変化球の精度をさらに上げる必要がありそうだ。

 一方の伊藤も巨人を相手に4回を投げて被安打4、3失点で早川と同じく負け投手となった。ストレートは度々150キロを超え、持ち球の変化球も一通り試して空振りを奪う場面もあったが、ボールが先行してカウントをとりにいったところを痛打されるシーンが目立った。また大学時代からクイックの速さが少し物足りず、この日も2盗塁を許している。ストライク先行で球数を少なくすることを課題に取り組んでいるとのことで、その方向性は間違っていないが、開幕までに全体的にもうワンランク、ステップアップする必要がありそうだ。

 同じ大学卒の投手ではロッテの鈴木昭汰(1位・法政大)、河村説人(4位・星槎道都大)の2人もここまで順調にアピールを続けている。

著者プロフィールを見る
西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

西尾典文の記事一覧はこちら
次のページ
鈴木、河村の強みは?