とんねるずさんも、そうで、特に最近のお二人の生き方。そして、石橋貴明さんが「テレビに戦力外通告された」と言い切ってYouTubeに臨む姿。まさに生きざまです。だから貴明さんのYouTubeを見る時にも気合いが入るんですよね。

 そして、加藤さんもまさにそうです。「めちゃイケ」では、奥さんとの結婚・出産から、お母さんの再婚相手との物語まで、生きざまを全て見せていました。そして相方・山本さんとの物語も……。「めちゃイケ」が終わってからもそのスタンスは変わることなく、情報番組のはずの「スッキリ」は、ある意味、加藤さんの生きざまを見せつけるドキュメンタリー番組の色も増してきている。吉本の問題の時はもちろんですが、個人的には「新しい地図」の3人に対してのスタンスにしびれた。みんなが何も言えないし、言わない中で、加藤さんはスッキリの中で、最初に堂々と声を上げていた。おかしいと思うことをおかしいと言った。

 そういうところも、自分の中での「順番」を大切にする。その生きざまを見せる。だからおもしろいし、だから見てしまうんですよね。

 そんな加藤さんが、吉本との契約が終了した。ネットニュースやSNSでは好き勝手に騒ぎ立てる人も多い。ここで加藤さんが、自分のSNSで本音を言うこともありません。だって、SNSをまったくやってない。そこも加藤さんらしい。そして相方の山本さんは、YouTubeでこれでもかというくらいに生き生きしている。そこがまたおもしろい。

 ここはまだ通過点。これからの生きざま、楽しみにしております。

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)が好評発売中。バブル期入社の50代の部長の悲哀を描く16コマ漫画「ティラノ部長」の原作を担当し、毎週金曜に自身のインスタグラムで公開中。主演:今田耕司×作・演出:鈴木おさむのタッグで送る舞台シリーズ第7弾『てれびのおばけ』が4月14日(水)~4月18日(日) 下北沢・本多劇場で上演。YOASOBI「ハルカ」の原作「月王子」を書籍化したイラスト小説「ハルカと月の王子様」が好評発売中。

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鈴木おさむ

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

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