凝固剤に消臭成分や殺菌成分が含まれているものもあります。また、保管袋に防臭機能がついているものもあります。においが漏れてしまうようだと、そのあとの保管の際に困りますよね。また、長期に保管することも考えると、菌が繁殖しないよう、殺菌成分が含まれている方が安全です。

 排泄物を固めたうえで中身が漏れないように袋で密閉するようになっていますが、事前に使ってみて、その効果を実際に確かめておきましょう。

■   トイレットペーパーを忘れずに

 トイレットペーパーがセットでついている簡易トイレはほとんどありません。「簡易トイレを準備してあるから安心」と思っても、いざ使ってみたら用は足せたけど拭くものがない!
なんてことになりかねません。

 簡易トイレを準備するときは、トイレットペーパーも併せて準備しておくのがお勧めです。

■  ゴミの保管場所の確保

 簡易トイレを実際に使ってみて筆者は、「ゴミが思ったよりかさばるな」と感じました。トイレに行く回数と家族の人数を考えると、1日でかなりの量のゴミが出ることは間違いありません。災害時はごみ収集も通常のようには難しいので、自宅に一定期間、保管しておくことになります。

 自宅でどこにどうやって保管しておくか、考えておきましょう。ゴミ収集に出せる場合も、自治体によって収集ルールは異なります。地域のルールについて、一度確認してみてるといいでしょう。

 備蓄はどうしても食べるものを優先しがちですが、排泄の備えも必要です。簡易トイレは使ったことがあれば、いざという時の安心感が違います。災害はいつ起こるかわかりません。今できることをやっておきましょう。(文/防災備蓄収納マスタープランナー・防災士 堀中里香)

堀中里香(ほりなか りか)/1972年、東京都生まれ、栃木県在住。元ソニーのソフトウェアエンジニアとしてAIBO・QRIOの研究開発、UIデザイナ―としてXperiaの開発に携わる。退職後に整理収納アドバイザーと出会い、整理収納の考え方がUIデザインの考え方と似ているという気づきから興味を持ち、2014年に整理収納アドバイザーの資格を取得する。一方、2011年3月の東日本大震災では都内で被災。ボランティア等で東北を訪れるうちに防災備蓄を整理収納と合わせて伝えたいという思いが高まり、2017年4月に防災備蓄収納マスタープランナー、2019年12月に防災士を取得。現在、「あなたのいえのかたづけこびと、そだてませんか」をモットーに、日常は整理収納で、非常時は防災備蓄で、安全で安心な暮らしをサポートする。防災を考慮した整理収納サポートや、オンラインでの整理収納×防災備蓄セミナーが好評。整理を習慣づける週一オンライン部活動『みんなでおかたづけクラブ』も行っている。NHKひるまえほっと出演。ブログ『かたづけこびとのみつけかた』https://ameblo.jp/karikanariho/