簡易トイレにはさまざまタイプがある(撮影・堀中里香)
簡易トイレにはさまざまタイプがある(撮影・堀中里香)
パッケージを開けて使えるように準備した状態。このタイプは洋式便座にかぶせることもできるし、和式状にもできる優れもの(撮影・堀中里香)
パッケージを開けて使えるように準備した状態。このタイプは洋式便座にかぶせることもできるし、和式状にもできる優れもの(撮影・堀中里香)
小専用の携帯トイレ。容量を確認して自分に合ったサイズのものを(撮影・堀中里香)
小専用の携帯トイレ。容量を確認して自分に合ったサイズのものを(撮影・堀中里香)

 東日本大震災の発生から10年を迎えようとしています。あたらためて、防災備蓄について見直す人も多いのではないでしょうか。水や食料を基本に、電源なども確保していると思いますが、盲点となっているのがトイレです。地震で排水管が損傷し、一定期間使えなくなることもあります。災害時に活用できる簡易トイレはさまざまタイプが売られていますが、防災士の堀中里香さんが実際に使って気づいたチェックポイントを紹介します。

【写真】パッケージを開けると…中身はこんな状態

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 簡易トイレには様々なタイプがありますが、基本はトイレ本体・凝固剤・保管袋の3つのパーツでできています。それ以外に便座や組み立て式のボックスなど、簡易便器も一緒についているタイプもあります。携帯トイレとは、それらが1つにパッケージ化されて持ち歩けるようになっているもの。トイレ本体を使って用を足し、排泄物を凝固剤で固める、それを保管袋に入れて密閉する、最後にゴミとして処理するというのが基本的な使い方です。

 トイレ本体の形状は、袋状のもの、洋式トイレにかぶせるもの、和式トイレ状に形作るものなど、さまざま。自分にとって使いやすい簡易トイレはどれなのか、使ってみないことにはわかりません。ちゃんと用を足せるか、ご自身で体験してみることが大事です。

■   大なのか、小なのか

 “トイレ”というと「大」も「小」も対応しているように思ってしまうかもしれませんが、簡易トイレは種類によっては小しか対応していません。100均で売っている携帯トイレは小対応のみがほとんど。大きな災害だと、ライフラインの復旧には相当な時間がかかる可能性もあります。大もできるタイプもぜひ用意しておいてください。

■   入りきるか

 小専用の携帯トイレで注意したいのは容量です。よく見ると説明書きに容量が記してあります。例えば、筆者が100均で買った携帯トイレの容量は300ミリリットルでした。成人の一回の排尿量は約150~250ミリリットルなので問題ありませんが、トイレを我慢してしまうと400ミリリットル近くになる場合も。個人差もありますので、自分は普段の状態だとどのくらいの容量で足りるのか、我慢した時でも大丈夫か、一度試してみるといいでしょう。そのうえで、購入時に容量をチェックしてください。

■   においや漏れは?

 凝固剤の主な成分は吸水性と保水性に優れた高分子ポリマーです。凝固剤は、粉末・タブレット・シート状など形も違えば、先に入れるのか後に入れるのか、袋のまま入れるのか袋から出して入れるのか、など使い方も異なります。正しく使わないとしっかり固まらないかもしれません。説明書を見てから使いましょう。

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意外とゴミがかさばる