ウィザーズは開幕5連敗でスタートし1月までは3勝12敗と低迷していたが、2月以降は5連勝を含め11勝8敗と持ち直し前半戦は14勝20敗。ここにきて課題が多かった守備面も機能してきており、この調子をキープできればプレーオフ進出も見えてくる。

 特に今季は、昨季に続きプレイイン・トーナメントの実施が決まっており、現在カンファレンス8位と2ゲーム差のウィザーズにはその可能性が十分にあるということ。3シーズンぶりのプレーオフ進出を果たすためにも、八村にはこれまで以上の活躍が求められるだろう。

 一方、トロント・ラプターズで奮闘する渡邊は、日本のファン、そしてトロント市民が想像する以上の活躍を見せているのではないだろうか。

 2ウェイ契約の渡邊は、前半戦で22試合に出場し1試合平均12.2分のプレーで2.7得点、3.2リバウンドのスタッツ。今季の2ウェイ契約選手は、出場可能上限数が50試合となっており、チーム状態によっては、メンフィス・グリズリーズ時代よりも出場機会に恵まれると思われていたが、常に全力投球で献身的なプレーがチームの信頼を集め、今ではローテーションに加わっている状態となっている。

 1月24日のインディアナ・ペイサーズ戦では21分間プレーすると、29日のサクラメント・キングス戦では24分間コートに立ち、12得点、6リバウンド、2スティールと見事なプレーを見せた。また3月3日のデトロイト・ピストンズ戦では、パスカル・シアカム、フレッド・バンブリートら主力が安全衛生プロトコルにより欠場する事態はあったものの、キャリア初の先発出場。日に日に現地メディアやファンからの評価も高くなっており、ファンからは本契約を望む声が大きくなっている。

 そして最近になって、渡邊人気を結果的にさらに後押したプレーがある。このプレーが起こったのは、2月19日のミネソタ・ティンバーウルブズ戦第3Q残り10.2秒。左サイドからゴールに向かってきた今季のドラフト1位指名のアンソニー・エドワーズは、ブロックを試みた渡邊の上から強烈なスラムダンクを決めた。このダンクは、その豪快さから、SNSなどで「ダンク・オブ・ザ・イヤー」として広く拡散された。

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渡邊のコメントを米国ファンは称賛