「先月行われたオンラインワークショップでは、答えのない道徳の問題ついて小学生たちと意見を交換した伊沢。その後、『子どもたちと色んな意見を交わしたことが楽しく、反論してくれる子がいっぱいいたのもよかった』と感想を述べていました。そうした、子どもにも対人間として接している様子が見え隠れするのも好印象です」(前出の編集者)

■街ブラ番組にも即座に適応

 一方でクイズ王ならではの、こんな含蓄のある発言も。

「以前、出演したバラエティ番組で子どもたちや学生へのメッセージを求められた際に、『人生はクイズじゃないなと思っていて、正解もなければ誤答もないし、問題も出てないかもしれないなっていう風に僕はずっと思ってて』『なので、間違えることを全然恐れないで欲しい』『正解、誤答というのにとらわれずに、色んなチャレンジをして頂きたいなと思います』とエールを送っていました。伊沢の場合、教養だけでなく人間味があるので、何より見ていて嫌味を感じません。しかも、そうした彼の存在から『知識があるのは素敵』と、子どもたちにも良い影響を与えてると思います」(同)

 TVウォッチャーの中村裕一氏は、伊沢のタレントとしての魅力についてこう分析する。

「知性をセールスポイントにしたタレントはこれまでたくさんいましたが、彼がここまで幅広くバラエティに対応し、露出を増やすとは正直予想していませんでした。しかし、彼が出演している番組を見ると、街ブラなどの予想のつかない現場でも、自分に何が求められているのか即座に理解し、『東大卒=天才、何でも知っている』というキャラクターに沿ったリアクションをどんな時にも的確に提供しています。そのズバ抜けた判断力と適応能力の高さが、番組制作サイドからの信頼を勝ち得ているのではないでしょうか。一方で、クイズに間違ったり、ミスをしたりした時に見せる人間味あふれる表情はとてもチャーミングで親近感があり、それがお茶の間の人気につながっている。東大生=クイズだけではないという可能性を広げたという意味ではまさに開拓者。今後どのような活躍を見せ、独自のポジションを築き上げていくのかとても楽しみです」

 賢いのはもちろん、意外とロケもこなせる伊沢。好感度だけでなく、器用さが求められる今の時代にはピッタリの逸材なのかもしれない。(丸山ひろし)

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丸山ひろし

丸山ひろし

埼玉県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集業務に従事。その後ライターに転身し、現在はウェブニュースや、エンタメ関連の記事を中心に執筆している。

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