■医師が状態をチェック、モニタリングが重要

 近年、デバイスを植え込んだ後には、遠隔モニタリングシステムで患者とデバイスの状態を管理することが一般的になった。このシステムにより、患者が通院せずに、家にいる状態でも、医師が病院でその情報を閲覧することができる。

「通院してもらわなくても、医師や医療スタッフはデバイスや患者さんの状態を把握できるので、患者さんは安心して日常生活を送れます」(近藤医師)

 植え込み型デバイス治療の「いい病院」について近藤医師はこう話す。

「遠隔モニタリングを実施していることが大前提です。さらにそこに専従で関わっている『植え込み型心臓デバイス認定士』がいることも重要です」(同)

「植え込み型心臓デバイス認定士」は、日本不整脈心電学会が認定。看護師や臨床工学技士などの医療スタッフが、遠隔モニタリングシステムで、日常の患者の管理などをおこなう。

「リード抜去など将来起こりうる事態をきちんと想定して最善の治療にあたっているのも『いい病院』だと思います」(同)

 ランキングの一部は特設サイトで無料公開しているので参考にしてほしい。「手術数でわかるいい病院」https://dot.asahi.com/goodhospital/

【医師との会話に役立つキーワード】

《ウェアラブルデバイス(着用型自動除細動器)》
接触型心電図電極と除細動パッドが内蔵された衣服を着用し、危険な不整脈を停止させる機械のこと。デバイスの植え込みが必要かどうかを見極めるため、暫定的に装着されることが多い。患者が管理をおこなう必要があるため、適応条件、治療の選択肢などについて医師から説明を受けるべき。

《リード線抜去》
血管・心臓に伝うリード線は、感染症や劣化により抜去が必要になることがある。その対応ができるか、あるいは抜去が可能な連携先はあるかなどを聞いておきたい。

【取材した医師】
千葉大学病院 循環器内科講師 近藤祐介医師
近畿大学病院 循環器内科教授 栗田隆志医師

(文/伊波達也)

※週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2021』より