あと、この一年、イラっとする瞬間に、頭の血が上る時がわかるというか。カッとなってしまう瞬間も多くなっていたんですよね。仕事している相手の中で僕のことを「怒りっぽくなったな」と思ってる人もいると思います。だけど、なんかそういう感情をコントロールできない。

 そんなことが増えていき、体の重さが増していき、パワーが出ない。これはまずいなと。もしかしたら男性更年期かもなと思ったりして。

 心療内科に行こうと決めました。うつ病に関してはいまだに、周りでも、うつ病で休んだりする人がいると古い考え方で見る人もいます。「かわいそう」な感じで、その人のことを言ったり。

 日々の生活から脳が今までのように処理できなかったり動かなかったり、心の病というよりも、僕は単純に脳の故障じゃないかと考えていて。

 だからこそ、自分の中でも今の状態を客観的にとらえて、一度行っておいた方がいいなと思ったのです。

 心療内科に行き、最初はドキドキしました。が、診察室に入り、先生に今の自分の状況とかを話したりしているうちに、それで楽になる自分もいたりして。

 コロナ鬱。最初に聞いた時は「なんだ、それ」と思ったけれど、この生活の変化についていけなくなる人もそりゃいますよね。

 それを放っておいたりガマンしたりして、故障が大きくなる前に、もっとカジュアルに心療内科を受けにいったり、行ったことを人に言えたり、そんな環境がもっと出来るといいなと思っています。

■鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)が好評発売中。バブル期入社の50代の部長の悲哀を描く16コマ漫画「ティラノ部長」の原作を担当し、毎週金曜に自身のインスタグラムで公開中。主演:今田耕司×作・演出:鈴木おさむのタッグで送る舞台シリーズ第7弾『てれびのおばけ』が4月14日(水)~4月18日(日) 下北沢・本多劇場で上演。YOASOBI「ハルカ」の原作「月王子」を書籍化したイラスト小説「ハルカと月の王子様」が好評発売中。

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鈴木おさむ

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

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