さらにその先の将来に目を向けると、ポルトガルの名門ベンフィカのリザーブチームで活躍する20歳の小久保玲央ブライアン、浦和の次期守護神として大きな期待を背負っている18歳の鈴木彩艶という並外れた身体能力を持つハーフGKが控えている。ただ、21歳以下の彼らはあくまで「将来の正GK」であり、日本A代表のゴールマウスを任せるには、経験の面で不安が残る。

 では、「誰」か。実力、経験、試合勘を踏まえると、やはり川島とシュミット・ダニエルの2人が充実している。そして所属するリーグの格を比べると、川島が上だ。エムバペ(パリSG)ら世界トップのスピードを実際にピッチ上で体感している点は国際舞台でも生かされるはずで、実際に試合中のプレーを見ても年齢的な衰えは感じられない。むしろ「今が全盛期か」と思えるほどの反応と好セーブを披露している。

 そもそもGKは最も経験が求められるポジションであり、A代表通算91試合出場、W杯3大会連続出場の経験は価値あるもの。フレッシュさを求めるサポーターの心理は理解できるが、幾度目かの“旬”を迎えている川島が今、再び正GKに君臨しても文句は言えない。

 ただ、その一方で2022年11月21日開幕予定のカタールW杯本大会を見据えると「確信」は持てないことは確か。今季のJリーグが開幕した中で、突出したパフォーマンスを披露する日本人GKも現れるだろう。あとは新型コロナの収束状況と、森保一監督の選択と決断にかかっている。