抜群の身体能力を持つオコエは一年目から1軍で起用されたが、その後3年間は目立った成長がなく、昨年はプロ入りして初めて、1軍出場がなかった。石井一久監督からも野球に取り組む姿勢の甘さを指摘され、「自己評価が少し高い」と苦言を呈される始末だ。

 強肩が武器で、入団一年目の開幕戦に「9番・ライト」でスタメン出場した後藤は、毎シーズン1軍出場はしているものの課題の打撃が成長せず、規定打席に達したシーズンが一度もない。昨年はわずか6安打に終わっている。炭谷は、高卒の新人捕手として球界で51年ぶりとなる開幕スタメン出場を果たした。その数日後のソフトバンク戦で「松井秀喜氏以来となる高卒新人の1試合2本塁打」を放つなど話題をさらい、その後も長く西武の主力捕手として活躍したが、森友哉の台頭で出場機会が減って18年オフに巨人に移籍。巨人で正捕手の座を狙ったものの、今は他の捕手と併用される日々だ。

「デビュー当時の炭谷を考えると、もっともっとすごいスター選手になるという期待感がありましたが、打撃がいまひとつで『いぶし銀』の選手になってしまった印象です。もうひと花咲かすことができるかどうか。後藤は年齢的にも、まさに正念場の1年になるでしょう。オコエもいよいよ立場が危うく、どこまで球団が我慢できるか。期待の若手という時期はもう過ぎつつあります」(前出の記者)

 プロ野球選手としてのスタートがどれだけ華々しくとも、その先の厳しい生存競争を勝ち抜いていかなければならないのだ。(AERAdot.編集部)