たんぱく質を意識して摂取しているダイエッターは多いが……(写真はイメージです/GettyImages)
たんぱく質を意識して摂取しているダイエッターは多いが……(写真はイメージです/GettyImages)
計太(けいた)/1989年、奈良県生まれ。大阪教育大学スポーツ科卒、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修了。パーソナルトレーニングジム「ボクノジム」経営。モットーは「2か月後の減量よりも1年後の健康」。
計太(けいた)/1989年、奈良県生まれ。大阪教育大学スポーツ科卒、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修了。パーソナルトレーニングジム「ボクノジム」経営。モットーは「2か月後の減量よりも1年後の健康」。

 早稲田大学大学院で運動生理学を学び、「ダイエットコーチ計太」としてYouTubeでも活躍するパーソナルトレーナー・計太さんが、科学的根拠に基づいたダイエットの方法や役立つ知識をお届けします。今回は、ダイエット中に摂取すべきたんぱく質の量についてレクチャー。最近はコンビニなどでも、たんぱく質量を売りにする食品や飲料が並ぶようになり、「ダイエット=十分なたんぱく質量が必要」という意識の人も増えているようですが、実際にはどれくらい必要なのでしょうか。

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1)「体重(kg)×1.5~2.0g/日」のたんぱく質量は本当に必要?

 ダイエットや筋トレ関連の情報を収集している人の中には、「たんぱく質は毎日、“体重(kg)×1.5~2.0g”ほど摂取したほうがいい(たとえば体重60kgの人なら60×1.5~2.0g=90~120g)」という話を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。

 確かに、筋肉量を増やす目的においてはこの基準も正しいとは思うのですが、多くのダイエッターにとってはたんぱく質過剰になりかねない基準だと、私は考えています。なぜならば、一般的なダイエッターはそこまで筋肉増量を求めているわけでもなく、そこまで現状の筋量が多いわけでもないからです。雑な表現をしますと、「“マッチョ”と一般人では基準が違うだろう」という話です。「やせるためにダイエットに励んでいるけれど、思うように体重が落ちない」という人は、一度たんぱく質の過剰摂取を疑ってみましょう。

 では、一般のダイエット中の人はどれくらいのたんぱく質を摂取すればいいのでしょうか。厚生労働省の食事摂取基準を見ると、性別や年代別に推奨量が示されていますが(たとえば30~49歳の男性だと65g、女性だと50g)、成人の場合は「体重(kg)×1.0g/日」、つまり体重(kg)分のグラム数のたんぱく質が必要と考えるのが、シンプルでわかりやすいと思います(「体重60kgの人なら1日に60gのたんぱく質が必要」ということです)。

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計太

計太

計太(けいた)/1989年、奈良県生まれ。大阪教育大学スポーツ科卒、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修了。専門は運動生理学。東京を中心にパーソナルトレーニングジム「ボクノジム」(https://bokuno-corporation.com/)を経営。論文の科学的データに自身の経験を組み合わせ、インスタグラムやツイッターなどで理論的かつ実践的なダイエットやトレーニングに関する情報を発信中。“2か月後の減量よりも1年後の健康”をテーマにしたYouTubeチャンネルは登録者11万人(2022年1月現在)と人気を集める。また、公式LINE(https://lin.ee/VJIfdbB)ではダイエットに役立つ情報や動画を無料配信中。

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たんぱく質を過剰に取るとどうなる?