■ドッキリにかかり「腰がつった」

 女優としては2018年に映画「響-HIBIKI-」に初主演。今年に入り映画「さんかく窓の外側は夜」でヒロイン役を演じ、大人気作の続編「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」でも重要な役どころで出演を果たしている。映画ライターはこう言う。

「欅坂46時代のあの存在感から想像すると、女優として成功はすでに約束されているようなもの。人気漫画が原作で彼女の主演デビュー作品となった『響-HIBIKI-』はまるで彼女に当て書きしたようなストーリーでしたが、その割には興行収入的には失敗しました。アイドル全盛期時代に満を持しての主演映画だったので誰もが大ヒットを予感していたと思うのですが、なぜ苦戦したのか解せません。本来ならすでに公開していた『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』も緊急事態宣言発出で延期に。陰キャラがパブリックイメージである平手さんの良さを全面に生かした物語ですし、岡田准一さん主演で大ヒットした前作からのお客さんも多いので、この作品は彼女のひとつの代表作になるのは間違いないはず。女優としてのポテンシャルは疑う余地がないので、あとはいつ主演作で大ヒットを飛ばすかどうか。いまだ欅坂46時代のカリスマ性がイメージとして根強いので、より自然体な恋愛物語など意外性もあったほうがブレイクにつながりやすいのでは。どちらにせよ、そう遠くない将来に女優として大ブレイクするのは間違いないでしょう」

 TVウオッチャーの中村裕一氏は、平手友梨奈の魅力の次のように分析する。

「『ザ・ファブル』で彼女が演じているのは、過去のある出来事が原因で心を閉ざした車イスの少女・ヒナコ。繊細でしっかりした演技が要求される難しい役どころでしたが、全編を通じ、主演の岡田准一や共演の堤真一らに負けないほど抜群の存在感を発揮しています。また、先日放送された『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』では、その『ファブル』とのコラボで出演。モニターから人が飛び出してくるという、とんでもないドッキリにひっかかり、『腰がつった』と本気で驚いていた表情がとても印象的でした。1月に映画『さんかく窓の外側は夜』のプロモーションで出演した『しゃべくり007』でも、共演者の志尊淳から意外な素顔を暴露されたり、有田哲平らレギュラー陣から彼女の愛称である“てち”をイジられて困惑したりする姿が新鮮でした。欅坂46時代のミステリアスでスリリングな彼女も魅力的ですが、せっかくソロになったことですしもっといろいろな顔を見せてほしいですね」

 ソロになることで笑顔を取り戻した平手友梨奈。果たして“二度と会えない天才”はどんな時代を築き上げるのか注目していきたい。(藤原三星)

著者プロフィールを見る
藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

藤原三星の記事一覧はこちら