■大分「D」

 片野坂スタイル6年目に突入。昨季11位のチームにはテコ入れが必要で、クロスに合わせる自分の型を持っている長身FWの長沢駿(←仙台)、安定感のあるプレーで中盤をコントロールするMF下田北斗(←川崎)、身長174cmながら空中戦に無類の強さを見せるCB坂圭祐(←湘南)、さらにGKポープ・ウィリアム(←川崎)、DF黒崎隼人(←栃木)、MF上夷克典(←京都)、MF福森健太(←北九州)、FW渡辺新太(←新潟)、そしてMF井上健太(←福岡大)、FW藤本一輝(←鹿屋体育大)の有能な大卒新人も加えた。

 だが、その補強は「必要に迫られたから」だと言える。GKムン・キョンゴンが兵役のために帰国し、DF鈴木義宜、DF岩田智輝、MF島川俊郎、MF田中達也と昨季の主力が次々と退団。低い位置でのビルドアップ戦術が特徴のチームにおいて、最終ラインの離脱は大きなマイナスで、サイドを独力で打開して決定的な仕事をしていた田中を失ったことはそれ以上の痛手だ。FW陣も知念慶、渡大生が他クラブへ移籍。長いシーズンを戦い抜くためには、もう1枚、2枚、点取り屋が必要な状況。離脱組をカバーするために懸命な補強を続けたが、トータルとしてプラスになったかどうかには甚だ疑問が残る。