■福岡「B」

 5年ぶりのJ1舞台に挑む。J2最少失点の守備陣を維持した上で、攻撃陣をJ1仕様にスケールアップするため、昨季J1で9得点をマークした決定力と献身性を持ち合わせたFWブルーノ・メンデス(←C大阪)、左利きの右サイドMFでU-19ベルギー代表の経歴を持つ26歳のジョルディ・クルークス(←ローダJC)、さらに大宮、新潟で計4年間プレーした経験を持つブラジル人MFカウエ(←ベレネンセス)を獲得。日本人選手もFW渡大生(←大分)、MF吉岡雅和(←長崎)に加え、高い技術を持つ25歳MF杉本太郎(←松本)らを獲得した。昨季チーム最多の11得点を挙げたFW遠野大弥やユース育ちのFW東家聡樹が退団し、福満隆貴、菊池大介というサイドのMFもレンタル終了とともにチームを去ったが、新戦力がしっかりと働けば問題なし。むしろ前線は質、量ともに大幅にアップしたと言える。

 守備陣では、高い身体能力とリーダーシップを持つCB奈良竜樹(←鹿島)、左サイドバックのレギュラーとして期待される志知孝明(←横浜FC)の他、GK永石拓海(←C大阪)、DF宮大樹(←鳥栖)ら多くの即戦力を獲得。GKセランテスが退団した影響は少なく、選手層という意味でも確実にアップしたと言える。戦力的にはまだまだJ1他クラブと比べると不足しているが、旋風を巻き起こせる可能性は十分にあるはずだ。

■鳥栖「D」

 昨季13位のチームは今オフ、多くの選手を入れ替えた。新たに加わったのは、実績十分の実力派CBファン・ソッコ(←清水)、空中戦に強いCB田代雅也(←栃木)、攻撃力が魅力のSB飯野七聖(←群馬)、高校時代に選手権得点王となったMF仙頭啓矢(←横浜FM)、さらにMF島川俊郎(←大分)、MF酒井宣福(←大宮)、FW山下敬大(←千葉)、さらに28歳のナイジェリア人FWチコ・オフォエドゥ(←マッカビ・テルアビブ)を獲得。今までとは違うサッカーを展開し、新たな可能性をサポーターに提供できる面々だと言える。

 しかし、小粒感は否めない。昨季のチームからの変化は確実だが、戦力アップに成功したとは言い切れず、特に中盤をコントロールしていたMF原川力、大卒1年目で33試合に出場したDF森下龍矢が他クラブに引き抜かれた点はマイナス。MF高橋秀人も移籍し、元エースのFW金崎夢生もレンタル先に完全移籍となった。実力未知数のオフォエドゥが“当たり”となれば面白くなるが、過度な期待は禁物。現状、上位進出を予想するよりも残留争いを予想する方が、自然だ。

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大分は戦力ダウン?