■浦和「D」

 昨季10位。「改革3年計画」を修正し、新たにリカルド・ロドリゲス監督を招いた。オフの補強も積極的で、元日本代表で33歳となった現在も国内有数の右SBであるDF西大伍(←神戸)、素早いプレスと前への推進力を持ち合わせる22歳のセントラルMF金子大毅(←湘南)、右サイドからドリブル突破で“違い”を見せる28歳MF田中達也(←大分)、左右両利きのテクニシャンである24歳MF小泉佳穂(←琉球)と国内の実力者を獲得。ルーキーでも、将来の日本代表候補と言えるDF藤原優大(青森山田高)ら4人を加えた。

 その一方で、MF長澤和輝、MF青木拓矢は移籍し、DF橋岡大樹は海外挑戦。MFエヴェルトン、MFマルティノスの外国人もチームを去り、さらにエースとして爆発が期待されたFWレオナルドが巨額マネーによって中国・山東魯能泰山への電撃移籍が取り沙汰され、これが正式に決まれば大きな誤算となり、新たな外国人選手の補強は必須になるだろう。さらにMF柏木陽介とFW杉本健勇がキャンプ中に新型コロナの感染予防のための外出禁止の規律を破り、柏木は退団の可能性も伝えられている状況。果たして今後、さらなる動き、補強はあるのか。少なくとも手放しで喜べるオフではない。

■FC東京「B」

 長谷川体制4年目。チームの成熟度は年々、高まってきており、今季は悲願のリーグ制覇を狙う。オフの補強は最小限。新外国人のDFブルーノ・ウヴィニ(←アル・イテハド)を筆頭に、MF青木拓矢(←浦和)、渡辺凌磨(←山形)、GK阿部伸行(←長野)に、大卒新人のDF蓮川壮大(←明治大)、高卒新人のDF大森理生(←FC東京U-18)。目玉は、2011年のU-20W杯で優勝したブラジル代表のキャプテンを務め、フル代表にも選出経験のあるブルーノだが、新型コロナの影響による来日遅れが、シーズンにどう響くか。仲間との連携構築が不可欠なCBなだけに心配ではある。

 その他、相手の攻撃の芽を摘むプレーを得意とする31歳MF青木は、4-3-3のアンカー役として期待。技術と運動量を併せ持つMF渡辺も出番があるはず。さらにレンタル加入中だったFWレアンドロを完全移籍で獲得し、去就が未定だったDFオマリの残留も決定。FW永井謙佑が右肩手術で開幕時は不在だが、その他の主力勢は軒並み残留してマイナス面は最小限に抑えた。ピンポイント補強で、戦力は間違いなくアップしたはずだ。

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昨季圧倒的な強さ見せた川崎は?