■鹿島「C」

 ザーゴ体制2年目。国内の主力級を多く獲得した昨オフに比べると、今オフの補強は大人しく、大卒でGK早川友基(←明治大)、DF林尚輝(←大阪体育大)、DF常本佳吾(←明治大)、高卒でMF舩橋佑(←鹿島ユース)、MF須藤直輝(←昌平高)、MF小川優介(←昌平高)と6人のルーキーを獲得した以外は、外国人を加えたのみ。その新助っ人である左利きで万能性も高いMFディエゴ・ピトゥカ(←サントス)、強烈なシュート力を持つMFアルトゥール カイキ(←アル・シャバブ)の2人も、新型コロナの影響で来日が遅れており、開幕後しばらくは、ほぼ昨季のままのチームでの戦いが予想される。

 チームを離れたのは、DF山本脩斗、伊東幸敏、奈良竜樹、FW伊藤翔という面々。補強という面ではやや物足りないが、チームは昨季5位で戦術ベースも出来上がっている。何より、オフに流出の噂があり、実際に多くの海外クラブから熱視線を送られていたFWエヴェラウドの残留が最大のプラス材料。昨季10ゴールを挙げたFW上田綺世を筆頭に有望な若手たちが成長すれば、今季の優勝争いだけでなく、その後の黄金期再到来も可能になる。

■柏「E」

 J1昇格から即、台風の目となった昨季の柏。しかし、その原動力だったケニア代表FWオルンガが中東へ。規格外の身体能力とシュート力で得点王&MVPに輝いたエースの代わりを見つけるのは困難だ。さらにGK中村航輔もポルトガルへ旅立ち、最前線と最後尾の駒を失ったところからのチーム作りを強いられる。新エース候補として、身長193cmを誇る大型ブラジル人FWペドロ・ラウルの獲得が決定的との報道(2月12日)があったが、開幕前に不在なのは大きなマイナス。チームとして新たな攻撃の形を作ることが、最初にして最大のテーマとなる。

 すでに決まっている補強としては、MFドッジ(←フルミネンセ)、FWアンジェロッティ(←レッドブル・ブランガンチーノ)の2人のブラジル人の他、昨季J2で41試合に出場したDF上島拓巳(←福岡)がレンタル復帰し、高いボール奪取能力が魅力の23歳MF椎橋慧也(←仙台)、右サイドを主戦場とするMFイッペイ・シノヅカ(←大宮)、高卒としてGK佐々木雅士(柏レイソルU-18)、DF大嶽拓馬(柏レイソルU-18)がチームに加わった。GKには韓国代表のキム・スンギュがおり、DF、MF陣も人材豊富の陣容と言えるが、「オルンガ放出」の影響はやはり大きく、補強診断という点では低く評価せざるを得ない。

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FC東京はピンポイント補強