「常に1球で仕留めるイメージでやって来てそれが少しずつできて来ていますが、まだまだ三振の数が多い。来シーズンは規定打席に到達して、チームに貢献できるように頑張ります」(太田/12月2日契約更改時)

 奈良の名門・天理では1年夏からレギュラーとして試合に出場。高校通算31本塁打の強打と堅守の内野手として1位指名でオリックスに入団した。父・暁は近鉄バファローズの内野手として活躍した元プロで、現在はオリックスの打撃投手を務める。

「父親同席の会見などで話題になったが、選手としてスケールの大きさにも注目が集まる。飛距離が出るのが大きな特徴で、打撃練習では京セラドームの上段席へ楽々と運ぶ。ケガが多いため、まずは肉体改造が課題。野球センス抜群なのは周知であり、プロ仕様の身体になれば確変する可能性を秘めている」(オリックス担当記者)

 プロ1年目は3月の教育リーグで死球を受けて右腕を骨折したが、9月には一軍での出場を果たした。昨年は7月に2試合連続本塁打を放つなど話題にもなったが、9月末の試合で走塁中に相手野手と激突し、右肋骨骨折のケガを負ってしまった。とはいえ、一軍で20試合に出場して、打率.259、3本塁打、5打点と高卒2年目としては立派な成績を残している。

「来年のシーズン中はもうお世話にはなりません。僕は京セラドーム大阪で頑張ります」

 昨年末は、主に二軍選手が使用する球団施設で父の球を打って練習納めとした。コメントからも、今年こそは一軍に定着するという意気込みが伝わってくる

 18年ドラフトは高校生野手の豊作年と言われた。夏予選あたりからマスコミを通じ多くの名前を耳にしたが、小園、根尾、藤原の扱いは別格だった。そんな中で太田の実力も話題に上がっていた。小園のハズレ1位となったが、プロ入り後は、彼らに負けない存在感を見せている。

 若い分伸びしろの大きい高卒選手だが、今年でプロ入り3年。時間が経つのはあっという間だ。着実に成長してレギュラー定着はもちろん、球史に残るような選手に育って欲しい。