そんな71歳になった俺だが、気持ちは「Reborn the Future」、新しい未来がまた出てきた。今年、一番力を入れたいのは「プロレス殿堂会」だ。昨年2月に発足したけど、コロナ禍で出鼻をくじかれてしまった。本当ならばもっと転がっているはずだったんだけどね。せっかく猪木さんも賛同してくれて、俺、長州、藤波選手もいるのに、何もしてないじゃないかって思われるのは癪(しゃく)だからね。俺が動けるうちに少しでも形にしたいし、そのためには「天龍源一郎」という商品をどんどん使ってほしい。現役の藤波選手は別として、引退した俺や長州にとって一番存在意義のあることはそこだと思っている。これからのプロレスは一人で小銭を稼ぐのではなく、共存する時代だ。現役の人たちにもその意義が伝わって、いいなと思わせないと意味がないからね。だから、代表も頑張ってよ!

 プロ野球の殿堂もかつての名選手が昔のユニフォーム着てグラウンドに立つとファンの人は喜んでくれるだろう。プロレスラーも上半身裸になるのは嫌かもしれないけど、ガウンなんかを着てリングに上がるのも意味があるんじゃないかなって思う。長州のリキラリアットや藤波選手のドラゴンスリーパーホールド、猪木さんの卍固めを見せてもらえるとか、夢のあることができたらいいね。

 俺? 延髄斬りでもやろうか! こういう話をすると長州は真っ先に「俺はやらなくていいよ~」なんて言うけど、藤波選手の50周年に現役復帰するって言ったりしているからまんざらでもないんだよね。今年は藤波選手の50周年でプロレス殿堂会として何かできたらいいね。みんなでお互いのイベントを盛り上げるように協力してさ。足並みそろえて二人三脚ができないのがプロレスラーだけど、こんな時代だからこそ、協力し合わなきゃと気づいてくれるといいな。だから馳浩先生も協力してくれよ!

(構成・高橋ダイスケ)

天龍源一郎(てんりゅう・げんいちろう)/1950年、福井県生まれ。「ミスター・プロレス」の異名をとる。63年、13歳で大相撲の二所ノ関部屋入門後、天龍の四股名で16場所在位。76年10月にプロレスに転向、全日本プロレスに入団。90年に新団体SWSに移籍、92年にはWARを旗揚げ。2010年に「天龍プロジェクト」を発足。2015年11月15日、両国国技館での引退試合をもってマット生活に幕を下ろす。

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天龍源一郎

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天龍源一郎(てんりゅう・げんいちろう)/1950年、福井県生まれ。「ミスター・プロレス」の異名をとる。63年、13歳で大相撲の二所ノ関部屋入門後、天龍の四股名で16場所在位。76年10月にプロレスに転向、全日本プロレスに入団。90年に新団体SWSに移籍、92年にはWARを旗揚げ。2010年に「天龍プロジェクト」を発足。2015年11月15日、両国国技館での引退試合をもってマット生活に幕を下ろす。

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