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美しい生き方を心がけた母 その最期を看取った40代の娘が学んだこと

「親の死」という反面教師

旦木瑞穂dot.#旦木瑞穂#病気#親の死
写真はイメージです(C)GettyImages

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旦木瑞穂:
愛知県出身。グラフィックデザイナー、アートディレクターを経て2015年に独立。葬儀・お墓・ダブルケア/シングル介護・PMS/PMDDに関する執筆のほか、紙媒体の企画編集・デザイン、イラスト制作を行う。

旦木瑞穂: 愛知県出身。グラフィックデザイナー、アートディレクターを経て2015年に独立。葬儀・お墓・ダブルケア/シングル介護・PMS/PMDDに関する執筆のほか、紙媒体の企画編集・デザイン、イラスト制作を行う。

親の背を見て子は育つ。子どもは親の生き様から学ぶという意味だとすれば、おそらく死に様にも同様なことがいえるだろう。だが、死に方を親から学ぶのは難しい時代だ。元気な頃から死後について話し合うのははばかられるし、離れて暮らしていればその機会すら得られない。しかし、死は誰にも必ず訪れる。「親のような死に方はしたくない」という人がいる。「親の死」を反面教師にする人は、親を看取るまでに何を感じ、何を学び取ったのか。親の死に目の後にしか得られない、先の話に耳を傾けてみたい。

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■母親の異変

「なんだか最近、食後に胃がムカムカするのよね」

 当時63歳の母親がこう言い始めたのは、2011年の秋頃のことだった。

 徳島美奈子さん(仮名・現在40代)は、1999年に結婚。当時は実家からそう遠くないアパートで、夫と7歳の息子とともに暮らしていた。

 結婚後も時々実家に顔を出したり、母親とランチやお茶をしていたが、食事の後に冒頭のセリフを口にすることが多くなり、かねてから父親は心配し、病院の受診を勧めていた。

 母親はもともと積極的に病院へ行くタイプではなかったが、腹部に違和感を覚えるようになり近所の内科を受診。胃カメラを飲むことに。

 そこで医師は、普通なら見逃してしまうほど小さながんを見つけた。

 すぐに切除するための手術を行い、それから約1年間、抗がん剤治療に入った。

 抗がん剤治療が始まると、母親は寝込むことが増えたが、抗がん剤投与の間隔が空いたときは、起きて身なりを整え、掃除や洗濯などの家事に勤しんだ。

 ところが2012年の秋、抗がん剤治療が終わりに差し掛かった頃、母親が咳をし始める。

「咳が続くのよね。風邪かしら」と言いながら「コンコン」と咳をする母親の姿を、徳島さんは今でも覚えている。しかし当時は深刻には考えなかった。

 咳の症状が長引くため、近所の病院を受診したところ、「間質性肺炎の疑いがある」と言われる。だが治療を受けるも、一向に良くならない。

 半年後、セカンドオピニオンを求めて別の病院を受診すると、小さなものだが「肺がん」が発覚。約1年前に見つかった胃がんから転移したものだった。

「胃がん後に元気になっている親戚や知人がいたので、母も家族も、みんなが治ったものだと勝手に思い込んでいました。だからこそ、転移はショックでした……」


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