阪神と並んで見切りの早さが目立つのが巨人だ。投手ではマシソンの8年間在籍という数字が目立つが、野手でイ・スンヨプ(5年在籍)、ラミレス(4年在籍)と日本の他球団で活躍してから移籍してきた選手がわずかに目立つ程度である。ロペス(前DeNA)は来日1年目に打率3割、2年目にも22本塁打を放っていたもののオフに退団。その後DeNAに移籍して長く中軸としてプレーした。毎年補強を繰り返すチーム事情もあるだけに巨人にロペスが残っていても出場機会を得られなかった可能性はあるが、DeNAでの活躍を見ると少し見切りが早かったと感じたファンも多いだろう。球団の体質と言ってしまえばそれまでだが、いまだに歴代最高の外国人野手が80年代にプレーしたクロマティというのは寂しい限りである。

 逆に我慢して1年契約を延長して成功した例もある。近年最も印象深いのはエルドレッド(元広島)だろう。来日2年目の2013年は66試合の出場で13本塁打、32打点という成績に終わり、オフには退団の可能性も高かったが残留。すると翌年は開幕からホームランを量産し、37本塁打でホームラン王のタイトルを獲得して見せたのだ。翌年以降も小さな故障が多くフルシーズン一軍でプレーすることはなかったが、最終的に球団史上最長となる7年の在籍で通算133本塁打を放ち、チームのセ・リーグ3連覇にも大きく貢献している。
長打力はもちろんだが、真面目な性格だったという点も大きいだろう。

 広島は昨年7試合の登板で防御率15.75と全く一軍の戦力にならなかったスコットが残留となっているが、ポジションこそ違うもののエルドレッドの成功例が影響していると考えられそうだ。

 パ・リーグで比較的我慢して選手を残すイメージが強いのが西武だ。投手では06年に来日したグラマンが1年目は先発で4勝6敗、防御率4点台と微妙な成績だったが残留。翌年途中からリリーフに転向して成功し、最終的に6年間在籍している。野手では今年8年目を迎えるメヒアが代表格。17年から3年契約を結んでいたというのはあるが、その大型契約終了後も2年続けていまひとつの成績ながら契約を更新している。

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今後のトレンドは“中長期的”な戦力の助っ人?