「佐々木の一挙手一投足には注目が集まり、目玉企画になる。球団としても露出を増やしたい意図もあるはず。昨年のキャンプでは小出しだが取材が可能な日もあった。しかしシーズン途中からは一軍に帯同しながらも、全くなくなった。佐々木本人、並びに担当している吉井理人投手コーチの強い要望があったと聞く。ロッテはオフにグラウンド外でのマイナス要因が多々あった。イメージ回復のために佐々木を利用することなく、球界を代表する投手に育てて欲しい。我々も我慢しますよ(苦笑)」(在京テレビ局スポーツ担当)

 佐々木は育成契約ではなく支配下選手契約。各球団70名が上限である選手枠の1つを自分が埋めていることは、本人も十分に理解している。佐々木自身、周囲に守られているという意識が強く、申し訳なさを感じているはずだ。

「プロで投げられないのは、本人が一番悔しいのではないか。プロ入りして調子に乗るようなことは全くなく、一緒にふざけるし偉ぶったところがない。決勝で投げないことが決まった時も、本当に申し訳なさそうにしていた。負けた時は誰よりも悔しそうだった。疲れていたのは側にいても分かったので、我々が佐々木を甲子園に連れて行けなくて申し訳なかった。そういうところを異常に気にする奴。良い奴なんですよ」(大船渡高時代のチームメイト)

「(今年の目標は)『発』です。2年目ですけど、また新たな出発ということで。一軍で先発で投げて自分の力を発揮して、そういう意味があって書きました」(佐々木/12月14日契約更改時)

 今シーズンに向けての心構えを、漢字一文字でそう言い表した。立場上はプロ選手であるが、マウンドにすら立てない自分は出発点にもいないことを分かっている。

「昨年と今年で大きく違うところは、朗希の体が仕上がっているところ。今年に関しては戦力という形でしっかり開幕から、どういけるかというのを判断したい」(ロッテ・井口資仁監督/1月18日)

 一軍にいるが投げない『ゴースト(=亡霊)』のような存在に終止符が打てるのか。佐々木の2年目、スタートこそは順調に見えるが、実戦での登板がいつ訪れるのか注目だ。