かまいたち(C)朝日新聞社
かまいたち(C)朝日新聞社

 お笑いコンビ・かまいたちの快進撃が止まらない。現在、レギュラー番組はローカル局も含めるとコンビで7本。これにネット番組や隔日配信のYouTubeも含めると、相当な露出量になる。また、『アメトーーク!』を始めとした人気バラエティ番組にも常連組の仲間入りを果たしていることから、すでに売れっ子芸人として認知されているのは疑いの余地はないだろう。

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 数多くの賞レースで結果を残し、“ポスト千鳥”という金看板をひっさげ全国区のバラエティ番組で縦横無尽に活躍するようになった2人。なぜ今、かまいたちがウケているのか? バラエティ番組を数多く手掛ける放送作家はこう明かす。

「まず、“ポスト千鳥”という触れ込みがやはり大きかった。2年ほど前から千鳥への出演オファーが殺到するようになりましたが、千鳥は仕事を選んでレギュラー番組を増やす方向にシフトチェンジし、1ステージ上に行くことに成功。その際、千鳥が引き受けなかった仕事をこなし、全部結果につなげたのがかまいたちでした」

 そもそも彼らは2017年にはキングオブコントで優勝し、M-1でも優勝こそできなかったが、3年連続で決勝に進出し、ラストイヤーでは準優勝。スキルが圧倒的に高いため、千鳥の穴埋め役としてこれ以上の適任はいないというわけだ。また、全国区に進出前の関西時代は、千鳥やかまいたちは“ロケの鬼”と呼ばれるほど数多くのロケをこなし、場数も十分踏んでいたため、あとはブレイクするきっかけを待つのみだった。

「『先に全国区になった千鳥』という存在があったのは、彼らにとって相当大きかったと思いますね。実際仕事をしてみると、平場のトークは本当に強い。いつも予想以上の仕上がりを見せてくれるので、全国区でもオファーが殺到するのは時間の問題でした。今は深夜レギュラー番組がメインになってますが、あと1年でゴールデンに出られるかどうかが勝負でしょう」(前出の放送作家)

 自身のYouTubeチャンネルの登録者数は80万人を突破。開設して約1年で、この数字は確かに驚異的である。

「いま、たくさんの芸人がYouTubeをやってますが、頭ひとつ抜けている感じです。企画も面白いし、コントや漫才のネタをボケとツッコミを入れ替えてやったりもする。芸人によくある“YouTuberっぽいことをやらない”というプライドは一切なく、あくまでもYouTubeでウケるということに正面から取り組んでいるところがすごい。また、あれだけテレビやラジオで忙しいのに、隔日配信をしているところも立派。どんなぬるめな企画でも、最終的には山内さんが力技で笑いに持っていけるので、安心して見ていられます」(同)

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藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

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