大宮への加入が決まった鮫島彩 (c)朝日新聞社
大宮への加入が決まった鮫島彩 (c)朝日新聞社

 女子サッカーのプロリーグ=WEリーグ開幕を今秋に控えて、例年以上にストーブリーグが熱くなっている。

 新たに女子チームをスタートするサンフレッチェ広島は、2011年の女子ワールドカップ優勝メンバー・近賀ゆかり(←オルカ鴨川FC)、福元美穂(←ちふれASエルフェン埼玉)から、現なでしこジャパン候補の上野真実(←愛媛FCレディース)まで、新旧の代表経験者が加入した。大宮アルディージャVENTUSも2011年の世界一を経験し、一昨年のフランス大会にも出場した鮫島彩(←INAC神戸レオネッサ)を完全移籍で獲得。どちらもチームの骨格ができてきた。

 運営体制が変わったマイナビ仙台レディースは意欲的な動きを見せて、長野風花(←ちふれASエルフェン埼玉)、宮澤ひなた(←日テレ・東京ヴェルディベレーザ)、矢形海優(←セレッソ大阪堺レディース)ら、次代を担うタレントを加えた。ノジマステラ神奈川相模原は、リーグ戦全試合に出場した川島はるな(→サンフレッチェ広島)、南野亜里沙(→ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)が退団する一方、代表候補の脇阪麗奈(←セレッソ大阪堺レディース)らが加入。今季は、ガラリと変わった布陣になりそうだ。

 今オフは、ゴールキーパーの入れ替わりも激しい。日テレ・東京ヴェルディベレーザは、皇后杯で優勝をつかみ取った西村清花が引退。代表でもレギュラー的存在の山下杏也加がINAC神戸レオネッサへ移り、そのI神戸からは、昨季のレギュラー・スタンボー華が退団している。ジェフユナイテッド市原・千葉レディースでは、山根恵里奈が引退。山根と競争を続けてきた船田麻友(→ちふれASエルフェン埼玉)、木稲瑠那(→サンフレッチェ広島)も他チームでの挑戦を選択し、昨季のリーグ戦出場ゴールキーパーが全てチームを去った。

 こうした中で、森栄次監督の下、成長過程の途中でリーグ優勝を果たし、皇后杯でも準優勝した浦和レッドダイヤモンズレディースは、今のところ大きな戦力低下も見られない。なでしこリーグの歴史を振り返ると、大幅に陣容が変わったチームは、変化に対応する時間が足りず、優勝を逃すケースが多かった。これまでの例に倣えば、ギャンブルをする必要がない浦和が優勝候補の本命となり、昨季のうちにモデルチェンジを行ったアルビレックス新潟レディースも前進が期待できる。

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新リーグ開幕控え勢力図も大きく変動