「このところ、フリーアナウンサーが飽和状態な上に、新型コロナの影響でテレビに出演できるタレントの数にも制限がかかっている。テレビ局自体もビジネスが行き詰まっていて、出演ギャラもさらに下がってきています。一方で、局アナのほうも希望しているようなキャスターやメーン司会などにはなかなかなれず、外部のフリーアナウンサーが夜の報道番組のキャスターに起用されたりしている。局アナたちは、人気があるほど露出が増えるので、その人気をバロメーターにフリーになるわけですが、過去のようにウハウハな状態ではすでにない。番宣であっても露出を多くして、存在感をアピールし、長く使われないといけなくなっています」(同)

 TVウォッチャーの中村裕一氏は、フリーアナウンサーたちの今後についてこう分析する。

「『フリーアナウンサー』はもはや『テレビタレント』とほぼ同義で、肩書き自体にあまり意味もなく、ひと昔前のようにステータスも高くなくなった。見方を変えれば、それだけ一般的に認知が広まったとも言えますが、あまりにも増えすぎたため、過当競争が発生していることも事実。そのためバラエティ番組などでも、一生懸命キャラをアピールしたり、ライバルをディスったりと、必死に個性を打ち出そうとする努力が伝わってきます。その中で『女優』という道を選ぶのも戦略としては十分アリですが、田中みな実くらい体当たりで挑まない限り、モノになるのは難しい。その意味でフリーアナは今、過渡期にあるのかもしれません。どの世界も同じかもしれませんが、本当の意味で才能(タレント)を持っていたり、生まれついての華があったりする人、そしてやはり『アナウンサー』なのですから、話す技術・伝える技術を磨き続けた人が生き残っていくのではないでしょうか」

 お笑い芸人が朝の情報番組のMCを務めるなど、テレビに出演するタレントたちは本業以外にもさまざまな仕事をこなさねばならなくなってきている。さらにフリーアナの中には小林麻耶のようにYouTuberへと転身した者もいる。多数いるフリーアナたちは今後、本業を離れ、どこへ向かうのか。要注目だ。(黒崎さとし)