「田中さんはフリーに転身してから、『M』以前にもドラマには出演していましたがさほど話題にならなかった。しかし、大映ドラマを目指したという『M』で、振り切った演技を見せたことで評価されました。スピンオフドラマまででき、本人も相当気を良くしたのだと思います。ただ、年末にいくつかドラマ出演がありましたが、『M』ほど話題にならなかった。事務所を移籍したものの、『M』への出演も基本的には前所属事務所が決めたものですし、現事務所もたくさんの一流俳優・女優を抱えている。女優業に関して、彼女の思い通りにはならない気がします。ただ今思うと、女優への進出は、彼女の一番の売りである美容系コンテンツに箔をつけるための戦略かもしれません」(芸能プロ関係者)

■フリーアナは単なる「女性タレント」

 一方、鷲見や田中のほかにも女優としてチャレンジした女子アナはいるが、爪痕を残したケースは少ない。元フジテレビの加藤綾子(35)はTBSの日曜劇場「ブラックペアン」(2018年)へ出演したときも話題となり、田中と同じくTBSの人気女子アナだった宇垣美里(28)も、いくつかのドラマ出演を果たしている。しかし、彼女たちの演技を覚えている人は多くないだろう。

「元フジテレビの平井理央(38)も、アナウンサーになる以前にタレント活動をしており、ドラマにも出演していましたが、フリーになってからドラマに出てもさほど記憶には残っていません。残念ながら現状だと、“客寄せパンダ”以上の実力派発揮できていない。本人たちもそれがわかっているとは思います。今回の鷲見さんに関しても、ドラマ放送前の番宣番組に出演し続けていて、そこでお色気アピールばかりさせられていました。本作では、『キスシーンがすごい』という典型的なお色気話に終止していて、肝心の演技を評価する人たちなんていませんせんよね」(民放バラエティ番組ディレクター)

 もちろん本人たちも、そうした役割はわかった上で女優業へと進出しているかもしれない。そして、今後はフリーアナの女優業への進出は加速するかもしれない。というのも、コロナ禍でイベントや行事での司会が激減し、彼女たちの冬の時代の終わりが見えないからだ。

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フリーアナウンサーは飽和状態