SHELLYは、子育てを巡る発言でも世の中に一石を投じている。たとえば、タブー視しがちな性教育問題。昨年12月に自身のYouTubeチャンネルを開設したのだが、そのタイトルは「SHELLYのお風呂場」。「若い人たちがポジティブな関係を築くための性教育チャンネル」をテーマとし、性教育に関する情報を発信している。これまでも自身のSNSなどを通じ、正しい性知識について教育の場の必要性を訴えてきたSHELLY。「真っ直ぐに発信することで、性教育のイメージを変えていきたいと思います」と開設時にコメントを出している。

 また、情報番組「あさイチ」(NHK)でも、子どもの性教育をテーマにした回(2020年9月23日)に出演。その際に発した「『やめて』は絶対2回言わせない」「あなたのNOには力がある」というコメントが大きな反響を呼んだ。たとえば子どもをこしょこしょっとくすぐったりした場合、「やめて」と言われたらすぐにやめるそう。「やめて」と伝えたのに大人がやめてくれないと「自分の『NO』には力がないと思わせてしまう」のが大きな理由だと力説。同番組内で共演した産婦人科医も賛同した。SNSでも「すごくわかる!」という共感の声や「気をつけなきゃ」という親目線のコメントなどが数多く上がっていた。

「ウェブメディアでは、『いじり』に関しても苦言を呈しています。いじりネタに関しては苦笑いをしていたそうなんですが、『それもいじりに加担しているのと同じ』と気づいたそうで、苦笑いをすることもやめたといいます。とはいえ、場の空気を壊す可能性もあり、どこまで言っていいのか悩んでいたときに、背中を押してくれたのがフットボールアワーの後藤さんだったとか。SHELLYさんのフェミニズムに関する記事を読んだ後藤さんが『尻込みしないで、本番で言えばええやろ』、引かれるかどうかは気にせず『それも含めて笑いにすればええんや』とアドバイスしてくれたそうです」(前出の編集者)

 こうしたメディアでの発言で、今や新ママタレ女王になりつつあるSHELLY。TVウォッチャーの中村裕一氏は、彼女の今後についてこう分析する。

離婚してから1年以上経ちましたが、そのまま消えることなくしっかり生き残り続けているのは、ひとえに、彼女が本来持っているタレントとしての底力に他なりません。情報番組などにおいて、物事の本質を見抜くことができ、何が問題かを瞬時に理解した上で前向きな提案ができる稀有な存在です。これから先、ますます活躍の場が広がるでしょう。彼女の場合、米国人を父に持つ多様な視点が備わっているだけでなく、そこに母親としての目線が加わるのですから、まさに“鬼に金棒”状態。今の彼女ならどんなジャンルの話題でも的確に対応することが可能だと思いますし、生活に根づいたリアルなコメントは多くの人からの共感を呼ぶことでしょう。清潔感もありますし、好感度も高い。その意味で、まだまだ長引くコロナ禍の中、彼女の需要はますます高まっていくでしょう」

 歯に衣着せぬコメントで性教育やジェンダーなどの社会問題への熱い思いを武器に、2021年も快進撃が続きそうだ。(高梨歩)

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高梨歩

高梨歩

女性ファッション誌の編集者など経てフリーライターに。芸能やファッション、海外セレブ、育児関連まで、幅広いジャンルを手掛ける。活動歴は約20年。相撲フリークの一面も。

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