その山崎が楽天の主砲として活躍していた09年のシーズン中、野村監督を批判して、懲罰の抹消処分を受けたのが、トッド・リンデンだ。

 7月に途中加入したリンデンは、73試合に出場し、打率2割9分2厘、12本塁打、37打点の成績でチームのCS初進出に貢献した。

 ところが、10月10日の日本ハム戦でスタメン落ちし、6点をリードされた9回に代打で起用されたことに腹を立て、「6ランホームランを打てということか」などと野村監督を批判。翌11日の仙台移動の際にも、橋上秀樹ヘッドコーチに「クレージー!」を連発したため、首脳陣批判として登録を抹消された。再登録まで最短で10日間。同16日から始まるCS第1ステージには出場できなくなった。

 だが、同21日から始まる第2ステージに出場できる可能性は残されていた。こうした事情から、同13日、リンデンは野村監督に謝罪したが、Tシャツに短パン、サンダル履きといういで立ちは、まったく誠意が感じられなかった。

「目を見りゃわかる。謝ってない。『その目は何だ?』と言っちゃった。反省の色もない。『子を見れば親がわかるっていうんだ。親は何してるんだ?』と言ったら、怒っちゃった」と呆れた野村監督は、謝罪を拒否した。

 しかし、第2ステージ進出決定直後の同19日、リンデンがスーツ姿で再度謝罪に訪れると、野村監督は「リンデン上げるよ。オレは情にもろいんや。結局、オレの欠点。(米田純球団)代表にも『勘弁してやってくれ』と言われたんや」と快く和解に応じた。

 リンデンは翌10年も、楽天でプレーしたが、今度はブラウン監督と起用法などをめぐって衝突。40日間の謹慎と罰金600万円の処分を受けている。

 一塁走者の動きに文句をつけたことが、采配批判とされ、事実上、現役引退に追い込まれたのが、DeNA時代の中村紀洋だ。

 14年5月6日の巨人戦、2対1とDeNAリードの8回無死一塁、4番・中村は三ゴロ併殺に倒れたが、自身の打席中、一塁走者の梶谷隆幸が盗塁狙いのリードを取っていたことに不満を抱き、試合後、「負けている場面ならわかるが、ここは(自分の打撃に)集中したかった」とコーチに訴えた。

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同僚を怒鳴りつけたことも…