女性は男性よりも性的許容範囲が狭い。仮に誠実で結婚向きな男性がいたとしても「この人とキスするなんて考えられない」という気持ちが湧けば、デートもストレスとなる。

 そこでスっと現れるのが、既婚男性。女性が既婚男性を居心地よく感じてしまうのは、女性の扱いや喜ばせ方を知っているから。場数を踏んでいない独身男性と違って、「女にはこうしといたほうがいい」という悪知恵もつけている。

 女だって40オーバーになればわかっている。もう、先はない。あと何年かしたら恋だの性欲だのはなくなる、むしろ今だけの恋愛を謳歌したほうが自分には都合がいい。特に、コロナ禍では。

「もともと白昼堂々と会っていたわけじゃないし、週末にお泊まりデートなんてこともなかったし、私の部屋かビジネスホテルで会うので、コロナでもなにも変わらないですね。むしろ会う回数が増えたかも。私の仕事は時差出勤や変則になっているし、彼は在宅勤務だから会いやすい。私が『来ていいよ』とか『会う?』とLINEすると奥さんには『資料が必要になった』とか『リモートではできない打ち合わせがある』とか言って出てくる感じですね」

 このコロナの渦中、これまで居なかったはずの夫がすっと自宅で過ごすとなれば妻のペースは乱される。「何か手伝ってくれるわけでなし、負担が増えて大変」「いると煩わしいことが多い、旦那がいないほうが楽」という妻側の不満や愚痴もよく聞く。妻にとっては家事もできない夫なら、「亭主留守で元気がよい」のだ。A子さんも“逆の立場”から同じように語る。

「よく考えれば奥さんだってずっと旦那に居られたらたまったもんじゃないでしょう。出掛けてくれたほうがせいせいして気晴らしになるんじゃないですか。今じゃ『え?もう帰ってきたの?』なんて言われるらしいですよ。それに私は彼の収入が必要な奥さんや子供さんから、彼を奪いたいなんて思ってません。彼の家庭も自分のライフスタイルも守りたいんです。私は彼をまるごと欲しいわけじゃなくて、彼と会うつかの間の時間で十分。自分が必要なときに会って、女として充実した時間を過ごすだけですから」

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男性も「シェア」する時代?