今季からGM兼任で楽天を指揮する石井一久新監督 (c)朝日新聞社
今季からGM兼任で楽天を指揮する石井一久新監督 (c)朝日新聞社

 今年から楽天のGMと現場の指揮を兼任する石井一久新監督。GM就任から大胆な補強戦略などが注目を集めているが、一方でファンからその手腕に疑問の声も上がっている。

 その中には「監督を交代しすぎて戦い方が統一できないのでは」という意見も多い。短期間での監督交代など、積極的な血の入れ替えという方法は間違っているのだろうか……。

「GMに就任した時から、私の使命はこのチームを常勝チームにすること、また骨太のチームにすることが大事だと肝に銘じてやって来たので、監督になってもそのスタンスは変わらずやって行きたいと思います」(石井GM兼監督)

 11月12日、楽天GMの石井が兼任で監督に就任することが発表された。18年9月のGM就任から大型補強と監督交代を繰り返した。ここまで結果を出せていなかったため、石井の兼務に関しては賛否両論が巻き起こった。

「石井GM兼監督の方法は一石を投じるもの。現役時代から独特の価値観を持ち、自分が正しいと思ったことは周囲に何を言われても気にしない。ノーヒッター直前なのに自ら降板を申し出たり(97年9月2日の横浜戦)、02年のメジャー挑戦にも驚かされた。だが石井は様々なことを考えて出した結論を遂行しているに過ぎない。『新参者球団が成り上がるには、ドラスティックにやるしかない』と口にしていたこともある。知っている人からすれば、いつものことだと感じているはず」(ヤクルト時代から知るフリーライター)

 まずは補強を繰り返し、選手層の底上げと競争心を煽った。18年オフには西武からFAとなった浅村栄斗、昨オフもロッテから鈴木大地が加入。他にも元西武、ロッテの涌井秀章をトレードで、さらにパドレスから自由契約になっていた牧田和久、オリックスで結果を残した助っ人のステフェン・ロメロの獲得にも成功した。

 また選手とともに監督人事でも積極的に動き、19年は前年途中から監督代行として指揮を執った平石洋介を続投させ、3位でCS進出を果たしたが解任。翌20年には、2軍監督だった三木肇を指揮官に据えたが、前年を下回るBクラス4位と結果を残せず。2年連続で就任1年目の監督を交代させ、自らが監督に就任することになった。

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監督が毎年代わることに問題はない?