――そこから8番の選手がロングスローに入るわけですが、このとき、映像では黒田さんの立っている位置がスローインの軌道に入っているように見えたことから、「スローインの邪魔をしていた」との批判につながりました。記事でも前出のライターは「距離があまりにも近いので、(黒田監督も)スローインの軌道であることは絶対に気付いていたと思います。もちろんわざとらしく邪魔をするわけにはいかないので、さりげなく前に出ていましたが、あれは邪魔をする以前に、危ない行為です」と述べています。これも「事実ではない」と主張されています。

黒田:まず前提として、当然、私はラインからボールが出た位置から投げるものだと思っていました。しかし、いくらか前方から投げたため、最初に私が立っていたところを偶然横切ってスローする形になったのです。私が彼に近寄っていって、何か妨害したということではありません。

 私はスロワーを振り返ったわけでもなく、ずっと腕を組んでピッチを見ていましたのでスローインを見てもいません。意図的に妨害などできるはずがないのです。

――たとえ監督がそこに立っていただけだとしても、選手が投げようとしたら、軌道から外れるように体をどかすこともできたのでは?

黒田:そもそも、スローの軌道上(ボールが出た場所)に私はいません。スロワーも普通に片手を上げて「今から投げるよ」という合図をして走りだしています。もし軌道上に私がいれば「ちょっとどいてください」と一声かけるはずだし、助走の姿勢には入らないと思います。

 また、私から5メートル以内には第4審判も第2審判もいましたので、もし妨害をしていればレフェリーからも「下がってください」とか「どくように」との注意があるものです。選手本人もそのまま投げているわけで、レフリーも何の問題もないと判断していますから、私が邪魔だという認識は両者ともなかったと思います。

――それにもかかわらず、映像では「邪魔をしているように見えた」のは一体なぜなのでしょうか。

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「拾ったボールをすぐに相手に渡すというルールはない」