阪神は14年には、球団初の韓国人選手として呉昇桓が入団。韓国リーグで歴代最多277セーブの実績に対し、契約金2億円、年俸3億円、移籍金5000万円プラス5000万円の出来高を含んだ2年契約を結んだ。呉昇桓の場合は、2年連続最多セーブをマークするなど結果も伴ったが、費用に見合うものだったのかの判断は難しいところだ。

「投手に関しては球威があって、スプリットなど武器となる決め球があれば良い。先発は厳しくても、クローザーなら戦力になるのでまだ分かる。しかし野手はやってみないと分からない。打撃技術やパワーがあっても活躍できない選手は多い。球界の傾向はもちろん、日本独自の文化もある。現状を客観的に捉え、アジャストする能力が必要。高額契約を結んでも、それに見合った活躍をする選手の方が少ない。同じことの繰り返しにならなければ良いが……」(元セ・リーグ球団渉外担当)

 投手に比べ、野手は“慣れ”という部分が非常に大きい。また、韓国リーグの成績が日本であてにならないのは過去の選手を見れば明らかだ。昨年、コロナ禍の難しいシーズンの中でNPBの野球を経験し、後釜のロハス・ジュニアと同じ年俸だったボーアを見切った判断が果たして正しかったのか……。

 阪神が優勝のためには助っ人の活躍は欠かせない。シーズン終了後に「ボーアで良かったのに……」とならないことを祈りたい。

(※文中の年俸の額は全て推定)