水野美紀さん
水野美紀さん

イラスト:唐橋充
イラスト:唐橋充

 42歳での電撃結婚。そして伝説の高齢出産から3年。母として、女優として、ますますパワーアップした水野美紀さんの連載「子育て女優の繁忙記『続・余力ゼロで生きてます』」。今回は大変だった2020年を振り返ります。

【忙しい水野美紀さんの「セリフ覚え」の謎…唐橋さんのイラストはこちら】

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 あけましておめでとうございます。

 今年は一体どんな一年になるのやら。

 毎年毎年、想像もつかないことが起こる。

 去年の正月にはコロナのコの字もなかったのだから。

 去年の一月には「浦安鉄筋家族」の準備が始まっていたけど、途中、撮影が中断したうえに撮影現場の家が取り壊されて、全く間取りの違う別の家で撮影することになるなんて思いもしなかったし。

「絶対零度 ~未然犯罪潜入捜査~」「浦安鉄筋家族」「マネキン・ナイト・フィーバー」「M 愛すべき人がいて」「真夏の少年~19452020」「極主夫道」「コールドケース3~真実の扉~」「にじいろカルテ」

 たくさんのドラマで色んな役を演じさせていただいた。たくさんの出会いがあった。

「絶対零度」では沢村一樹さん。

 闇を抱えた二面性のあるキャラクター造形が素晴らしくて、間近で演技を見て何度も感動した。

 あの、掴み所のないキャラクターをあんな風に最高に魅力的に演じられるのは沢村さんしかいないと思う。

「浦安」ではなんといっても佐藤二朗さん。間と呼吸を操るモンスターだ。

 アドリブの掛け合いもたくさんあったが、二朗さんはスッとこちらに呼吸を合わせて間を測り、会話にグルーヴを作っていって、相手の面白さを引き出してくれる。

 もう、特殊な才能だ。国宝だ。

 夫婦役での掛け合いは本当に楽しくて、幸せだった。

「マネキン」で出会ったLDHのFANTASTICSのメンバー。

 みなさん個性が際立っていてカッコ良かった。

 みんな全力で取り組んでいてこちらも背筋がのびる思いだった。

 お芝居では佐藤大樹くんがシーンを引っ張ってくれていたし、文字通り裸でぶつかっていく瀬口くんが面白かったし、みんなとのお別れのシーンで思わず泣いちゃう八木くんのピュアな感受性にグッと来た。

「真夏の少年」ではジャニーズの「美 少年」のみなさんと。

 息子役の那須くんはお芝居に対して真面目すぎるくらいに真面目でまっすぐで、眩しいくらいだった。そして集中力が高い。

 きっと場数を踏むたびにたくさんの発見をして吸収をしてぐんぐん伸びていくのだろうな。

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水野美紀

水野美紀

水野美紀(みずの・みき)1974年、三重県出身。女優。1987年にデビュー。以後、フジテレビ系ドラマ・映画『踊る大捜査線』シリーズをはじめ、映画、テレビドラマ、CMなど、数多くの作品に出演。最近では、舞台やエッセイの執筆を手掛けるなど、活動の幅を広げている。2016年に結婚、2017年に第一子の出産を発表した

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