【MF】

 MFは3人を選びたい。1人目は3年連続で決勝に進出したチームの中盤を支えた兵藤慎剛(国見)。正確なパスと素早いドリブル、豊富な運動量で、特に3年時の第82回大会は平山相太、中村北斗らと圧倒的な強さを見せつけて頂点に立った。

 2人目は本田圭佑(星稜)だ。後に日本代表としてW杯でもゴールを決めた男は、高校時代から絶大な存在感を発揮し、3年時の第83回大会では石川県勢として初のベスト4進出に貢献。パス、ドリブル、キープ力、左足シュート、そしてリーダーシップ。当時からピッチ上で誰よりも目立つスペシャルな存在だった。

 そして3人目に“セクシーフットボール”の申し子である乾貴士(野洲)を選びたい。2年時の第84回大会で全国制覇。青木孝太、楠神順平、平原研らとともにセンセーショナルなパスサッカーを展開したチームの中でも稀有な才能を見せつけ、華麗なボールタッチとドリブル突破で観衆を魅了した。

【FW】

 FWは3人だ。1人目は“怪物”平山相太(国見)。身長190センチの高さだけでなく、懐が深いボールキープ、柔らかいボールタッチ、そして左右両足からの正確無比なシュートでゴールを量産。第80回、81回、82回大会と3年間で通算14試合に出場し、81回からは2大会連続で得点王に輝くなど、史上最多の17得点を挙げた。特に3年時は圧倒的なプレーぶりで大会新記録(当時)となる9得点を奪った。

 2人目は大前元紀(流通経済大柏)。優れたアジリティと類稀な得点感覚、積極果敢なプレーで、第86回で圧勝優勝を飾ったチームのエースとして活躍。決勝での2ゴールを含む大会7ゴールで得点王となり、インターハイなど高校3大大会すべてで得点王となる史上初の偉業を成し遂げた。

 そして最後の一人は、“半端ない男” 大迫勇也(鹿児島城西)。チームは準優勝に終わったが、自身は1回戦から6試合連続ゴールを奪い、平山の記録を抜く大会史上最多の10得点を奪う働き。ストライカーとしてすべてを兼ね備え、高校生では誰も止められなかった。

<2000年代ベストイレブン>
GK
徳重健太(国見)
DF
大久保裕樹(市立船橋)
増嶋竜也(市立船橋)
岩下敬輔(鹿児島実業)
藤村健友(盛岡商)
MF
兵藤慎剛(国見)
本田圭佑(星稜)
乾貴士(野洲)
FW
平山相太(国見)
大前元紀(流通経済大柏)
大迫勇也(鹿児島城西)