ソフトバンクの松田宣浩 (c)朝日新聞社
ソフトバンクの松田宣浩 (c)朝日新聞社

 今年のスポーツ界は新型コロナウイルスに振り回され続けた1年となった。プロ野球界も例外ではなく、当初予定されていた3月20日の開幕が延期され、約3カ月遅れの6月19日にようやくスタート。開幕後は無観客試合が続き、7月10日からファンの入場も許されたが、人数制限付きであるため、かつてのようなプロ野球の日常は戻っていない。

【写真】「平成で最もカッコいいバッティングフォーム」はこの選手!

 そこで今回は、プロ野球以外も暗いニュースが多かった2020年の空気を吹き飛ばすような選手で構成した「ムードメーカー ベストナイン」を独自に選出してみた。(★は現役のNPB選手、通算成績は2020年終了時の数字)

*  *  *

・投手:岩本勉(日本ハム)
 通算成績:63勝79敗3セーブ、防御率4.44

「まいど!」の掛け声がトレードマークだった元気印。北海道移転前、日本ハムが“不人気チーム”だった時代にエースとして活躍する傍ら、グラウンド内外で周りを盛り上げようとする姿は印象深い。オフシーズンにはプロ野球選手とは思えぬモノマネを披露するなど、孤高のイメージのある投手らしからぬ“陽キャ”ぶりを発揮していた。

・捕手:小田幸平(元中日など)
 通算成績:371試合、112安打、2本塁打、45打点、打率.197

巨人時代には“清原の舎弟”としてテレビなどに取り上げられ全国的な知名度を誇ったが、通算の出場数は371試合。それでも17年という長いキャリアを全うできたのも、ベンチでの役割も評価されたからに違いない。中日移籍後にも主に控え捕手ながら、存在感は抜群。決勝タイムリーを放った後のお立ち台で放った「やりました~っ!」の絶叫はTシャツとして販売されるなど、ムードメーカーらしくファンにも愛された。

・一塁手:中畑清(元巨人)
 通算成績:1248試合 1294安打、171本塁打、621打点、打率.290

名門巨人の選手は「球界の紳士たれ」との遺訓もあり、どちらかというと大人しい感じもあるが、その中でも圧倒的な陽気さを誇った選手。口癖は「絶好調!」で常にハツラツとした表情でプレーしていた姿が印象に残る。現役引退後には古巣巨人でコーチを務め、2012年からはDeNAの監督に就任。4シーズンで最下位2回、5位2回と結果は残せなかったが、その時代でも明るいチームのイメージがあったのは、表情豊かなこの男がベンチにいたからに他ならない。

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遊撃は米国でもムードメーカーになったあの人