1位:奥川恭伸(ヤクルト:2年目)

2020年一軍成績:1試合0勝1敗0セーブ 防御率22.50
2020年二軍成績:7試合1勝1敗0セーブ 防御率1.83

 セ・リーグのブレイク候補ナンバーワンはやはり奥川になるだろう。自主トレ中に肩の炎症が発覚し、シーズンに入っても慎重な調整が続いていたが、二軍では7試合に登板して防御率1.83、奪三振率8.24、WHIP0.66と高校卒ルーキーとしては十分すぎるほどの結果を残している。一軍初登板は緊張からかスピードもコントロールも二軍で登板している時とは別人の出来でほろ苦いデビューとなったが、その後に行われたフェニックスリーグではさすがの投球を見せた。好調時のボールは十分一軍で通用するレベルにあるだけに、あとは調子の波をいかに小さくできるかがポイントとなりそうだ。投手陣の台所事情は来年も苦しくなることが予想されるだけに、開幕からローテーションの中心として回るくらいの飛躍に期待したい。

(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

著者プロフィールを見る
西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

西尾典文の記事一覧はこちら