2位:宮城大弥(オリックス:2年目)

2020年一軍成績:3試合1勝1敗0セーブ 防御率3.94
2020年二軍成績:13試合6勝2敗0セーブ 防御率2.72

 興南高校では1年夏、2年夏と連続で甲子園に出場。3年時は沖縄大会の決勝で敗れたもののコンスタントに140キロ台後半をマークするストレートと鋭く変化するスライダー、チェンジアップは超高校級と評価され、外れ外れながら1位で指名されてオリックスに入団した。ルーキーイヤーの今年は早くから二軍のローテーションに定着すると、6勝をマークしてウエスタンリーグの最多勝を獲得。シーズン終盤には一軍初勝利もマークしている。上背はないもののストレート、変化球とも質が高く、高卒1年目とは思えない落ち着いたマウンドさばきも魅力。スタミナと体の強さも申し分なく、来年は開幕ローテーション入りも十分に期待できるだろう。

1位:杉山一樹(ソフトバンク:3年目)

2020年一軍成績:11試合0勝0敗0セーブ 防御率2.16
2020年二軍成績:14試合4勝4敗0セーブ 防御率2.55

 好素材の多いソフトバンクの若手投手陣の中でもスケールの大きさでナンバーワンと見られているのがこの杉山だ。社会人では目立った実績はなかったものの、素質の高さが評価されて2018年のドラフト2位でプロ入り。二年目の今年は二軍で主戦として結果を残し、シーズン終盤には一軍定着を果たした。恵まれた体格から投げ込むストレートはコンスタントに150キロ台中盤をマークし、数字以上の威力が感じられるのが最大の魅力だ。大型投手にありがちなギクシャクした動きがなく、フォームに悪い癖がないのも大きな長所だ。決め球のフォーク、スライダーに加えて確実にカウントをとれる変化球をマスターすることができれば、一気にチームの柱となっても不思議ではないだけの潜在能力の持ち主である。

(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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