米沢盆地(置賜盆地)を山形新幹線のE3 系電車が走る。赤湯(あかゆ)―かみのやま温泉間(写真提供/坪内政美)
米沢盆地(置賜盆地)を山形新幹線のE3 系電車が走る。赤湯(あかゆ)―かみのやま温泉間(写真提供/坪内政美)

 漢字パズル誌「みんなの漢字」の好評連載「難珍駅名旅気分」から、JR奥羽(おうう)本線を紹介します。この路線は東北本線の福島駅から山形、秋田、弘前などを経て青森駅に至る全長484.5キロメートルの幹線です。大動脈でありながら山越え区間があり、変化に富んだ車窓で大人気。さらに一部区間に山形・秋田新幹線が乗り入れているのも大きな特長で、沿線には難読・ユニーク駅名が点在しています。

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■【設問】この駅名、読めるかな?(答えは最後)

Q1 置賜
米沢市を中核とする山形県南部の置賜地方は「おきたま」と呼ぶのが一般的ですが、駅名は違う読み方をします。「置賜」の「たま」は、溜まるという意味で、水が溜まった湿地帯を表しています。

Q2 高擶
駅名は、開業時の所在地、高擶村(1955年に合併で消滅)から。「高擶」の由来は、細い竹を輪切りにして神事に用いる竹玉(たかだま)、または“タモ”の俗称を持つ楡(にれ)の木に由来するとも伝えられています。

Q3 乱川
由来は、当駅―神町間で線路と交差する最上川水系の乱川。河川名は、流路が定まらない“荒れる川”であることを表し、繰り返される氾濫のため、古くから治水工事が行われてきたといいます。

Q4 及位
珍地名として有名です。その由来は、中世、付近の山々で断崖から宙づりになって横穴をのぞく修行が行われ、これによって悟りを開いた僧が“上京して高い地位に及んだ”という伝承によるもの。

Q5 醍醐
「醍醐」の由来は、かつて一帯が牛の放牧地で、牛乳を煮詰めた醍醐という乳製品に関連するとか。アリスの「遠くで汽笛を聞きながら」(1976年発表)のレコードジャケットに、当駅の写真が用いられています。

Q6 鹿渡
地域の交流施設「楽しく集う青春館」との合築駅舎が立ちます。「鹿渡」の由来は、八郎潟(はちろうがた)の角に位置するからとも、凍結した八郎潟の上を男鹿半島から鹿が渡ってきたという伝説によるとも。

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