鴻上尚史さん(撮影/写真部・小山幸佑)
鴻上尚史さん(撮影/写真部・小山幸佑)

写真は本文とは関係ありません(※イメージ写真/iStock)作家・演出家の鴻上尚史氏が、あなたのお悩みにおこたえします! 夫婦、家族、職場、学校、恋愛、友人、親戚、社会人サークル、孤独……。皆さまのお悩みをぜひ、ご投稿ください(https://publications.asahi.com/kokami/)。採用された方には、本連載にて鴻上尚史氏が心底真剣に、そしてポジティブにおこたえします
写真は本文とは関係ありません(※イメージ写真/iStock)
作家・演出家の鴻上尚史氏が、あなたのお悩みにおこたえします! 夫婦、家族、職場、学校、恋愛、友人、親戚、社会人サークル、孤独……。皆さまのお悩みをぜひ、ご投稿ください(https://publications.asahi.com/kokami/)。採用された方には、本連載にて鴻上尚史氏が心底真剣に、そしてポジティブにおこたえします

「気を遣いすぎる」と言われモヤモヤした気分を抱える40代主婦。気遣いをうやめたいけどやめられない自分がいると悩む相談者に、鴻上尚史が吐露する「あんたは、気を遣っているのがミエミエ」と言われた過去とは。

【相談90】気遣いやめたいけど、やめられない自分もいます(45歳 女性 ママレモン)

 こんにちは。

 2歳の養子を育てています。40代の元看護師、今は主婦です。

 私は、人からたまに、「気遣いできる人」とか「気を遣いすぎる」などと言われることがあり、それは褒め言葉の時もあれば、気遣いしすぎてしんどくない?的に感じられる言い回しの時もあります。

 どちらにしても、これを言われるのは、嬉しくないです。

 嬉しくない理由としては、私が少し無理して気を遣ってる時もあるからだと思います。

 結果、それが相手に好感を持って伝わる時もあれば、気を遣いすぎる人と伝わる時もあるのだと思います。

 人に好かれたい気持ちが根底にはあると思いますが、それだけではなく、素直に気持ち良い関係になりたいとも思っています。

 直近では、子供がお世話になる小児科の看護師さんが、私の友達に、「◯◯ちゃんのお母さん、すごい気を遣いすぎるから、子供が幼稚園に行ったら、ママ友で苦労するよ」と言ってたことを耳にしました。それでこの相談を投稿しようと思いました。

 私の一部分しか知らないのに、そんなことまでなぜ言うのかな?とモヤモヤが止まらなくなったのです。

(しかし、家庭では、主人に言いたいこと言って、のびのびと暮らせています)

 気遣いをやめたいけど、やめられない自分もいるし、思いやりとして、気遣いしたい自分もいます。モヤモヤが止まりません。

 長文で申し訳ありません。よろしくお願いします。

【鴻上さんの答え】
 ママレモンさん。そうですか。気を遣いすぎてしまうことがありますか。たしかに、全然、長文じゃないのに、「長文で申し訳ありません」と書かれていますもんね。

 送られてくる相談の中には、たまに気が遠くなるような長文のものがあります。書いているうちに、思いが溢れて止まらなくなるんでしょう。そういう相談は、僕が答えられなくても書く意味があると思ってます。心の中のモヤモヤを言語化することは、悩みを解決する大切な一歩ですからね。

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鴻上尚史

鴻上尚史

鴻上尚史(こうかみ・しょうじ)/作家・演出家。1958年、愛媛県生まれ。早稲田大学卒。在学中に劇団「第三舞台」を旗揚げ。94年「スナフキンの手紙」で岸田國士戯曲賞受賞、2010年「グローブ・ジャングル」で読売文学賞戯曲賞。現在は、「KOKAMI@network」と「虚構の劇団」を中心に脚本、演出を手掛ける。近著に『「空気」を読んでも従わない~生き苦しさからラクになる 』(岩波ジュニア新書)、『ドン・キホーテ走る』(論創社)、また本連載を書籍にした『鴻上尚史のほがらか人生相談~息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋』がある。Twitter(@KOKAMIShoji)も随時更新中

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